当たり前のことですが、社会的に重要な地位にある者が、会議をして推敲を重ねたような言い訳、もっとはっきりと申し上げるならば、見え透いた嘘を並べることは、好ましいことではありません。前回の投稿でも、申し述べました通り、我が国の首相のいわゆる衆議院解散権は、その首相にとって都合がいい期日に衆議院議員総選挙を行うことを決定する権利では、ありません。
無常の世において、情勢は、常に変化し続けています。「情勢の変化を踏まえて、何らかの税目の税率の変更時期を、18か月先送りすることにしたから」という理由を付して、首相が、衆議院の解散を閣議で決定することにより、選挙後の衆議院議員の任期満了日を、自身の何らかの役職の任期満了日よりも後ろに持ってくることを企てることは、好ましいことではありません。
因みに、僕は、2012年12月の第46回衆議院議員総選挙では、「4年間、国家国民のために、身を粉にして働いてください」という思いを込めて、小泉進次郎候補者(と自民党)に投票しました。僕の「何々候補者よ、4年間、身を粉にして働いてくれ」という切実な思いは、どなたかのいい加減極まる閣議決定により、あっけなく退けられました。
一寸先は闇であり、かつ、まさかの坂があっちこっちにあるのが政治の世界ですが、今のところ、今国会の会期が延長される様子はなく、6月1日に会期末日を迎え、今国会は閉会されそうです。で、いつ、第24回参議院議員通常選挙を行うのか。
「二つの震災復興があり、政治的空白は、断じて許されない。臨時国会を、60日間の会期で、8月1日に召集することとしました。そのため、今般の参院選は、6月9日に公示し、6月26日を投票日とすることを決定致しました」という風にならないとは、限りません。
不意打ちを食らわし、相手の準備不足をつく。この手は、2012年12月に、使われたようですが、悲しい哉、人間は、一度うまくいけば、二匹めのどじょうを狙ってしまう傾向があるように思います。長々と、3回連続で政局の話になってしまいましたが、なんだか、嫌な予感が拭えません。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則