文章の中に、みうらじゅん氏の名を挿入すれば、その文章が硬い文章であっても、少しは、その硬さが削ぎ落とされるのではないかと思って、氏の名前を挿入している訳ではないのですが、最近、みうらじゅん氏が「sinceが流行ってきている」と仰っているようです。あながち、的外れとは言い切れないと、僕は思っています。
時代が変わり、新しい様式のものが、次々と登場する。新しく登場したものも、創意工夫を繰り返しながら、「健全なるものを生かし、古き無用なるものを除き、欠陥を是正」(この文言は、我が自民党の立党宣言より借用しました)し、残るものは残り、廃れ消えていくものは消えていく。時間をかけて、ようやく軌道に乗った頃、「皆様のおかげで、移り変わりの激しいこの業界において生き残り、創業41周年、創業50周年の日を迎えることができました」という思いを、「since 1975」だとか「since 1966」だとか、流行りの横文字で表現し、それを、看板などに刻み込む。
先の大戦後、我が国は、奇跡的な経済的成長を遂げました。その過程において、1966(昭和41)年に、放射性廃棄物を処理する確たる技術を持たないまま、商用の原子力発電を開始致しました。今、「放射性廃棄物」と書きましたが、これは、事業者が自らの責任において適正に処理できない代物です。廃棄物の処理及び清掃に関する法律3条1項の趣旨に即せば、これを「廃棄物」と呼ぶのは適切ではありません。
また、1975(昭和50)年度から今に至るまでずっと、我が国の政府は、赤字国債(特例公債)の残高を保有し続けていて、残高がゼロになったことがありません。それどころか、消費税率を3%から4%に引き上げた年度の次年度である1998年度以降、急激に残高を増やし続け、既に、取り返しがつかないところまで来ています。
子や孫の世代の者に対し、全くもって、申し開きができない。このままでよい訳がない。僕は、そう思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則