慌ただしく過ぎ去った、年の瀬。12月は、日付順で申し上げれば、愛子内親王殿下(12月1日)、皇太子妃殿下(12月9日)、今上陛下(12月23日)、佳子内親王殿下(12月29日)、それぞれの方々のお誕生月です。
もちろん、12月23日が、広田弘毅・元内閣総理大臣を含む7名の日本人の命日でもあることは、この国の歴史を見ていく上で、忘失してはならないことだと思いますが、きょうは、このことには深入りせず、誕生日にまつわることを書き進めます。
僕は、戦後も戦後、高度経済成長期の只中で生を享けた世代の者なので、小学生の頃、「家に友達を呼んで、お誕生日会なるもの行う」という風習が、既にありました。そういう場では、大抵、
♪Happy birthday to you, happy birthday to you
Happy birthday, dear ○○さん
Happy birthday to you ♪
これを歌うのですが、なぜ、誕生日に、日本語の歌ではなく、英語の歌を歌うのでしょうか。
あくまで、これは僕の推量ですが、「そもそも、この国の庶民には、古来、各個人の誕生日に誕生を祝うという風習はなく、だから、お誕生日会用の日本語の歌など、ない」のではないでしょうか。生まれ落ちた時に一歳で、元日を迎える度に、皆で一斉に、一歳ずつ歳を重ねる。そう、数え年。
門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
正月は、言わば、老若男女、皆の誕生日。だから、めでたい。古来、日本人は、そうやって、周りの人との和を、特に大切にしてきた。正月の静けさの中、僕は、そのように思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則