借換国債を発行しようとして、引き受け手がいなければ、この国はどうなるか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 もしも、僕の年収が450万円で、他人に言うに言えない事情があり、1億円の借金を抱えていて、そのため、1年間に、金利だけで130万円も支払っていて、にも関わらず、借入金の残高が、これ以上増えないように、つましく、年間の生活費を320万(=450万ー130万)円以下に抑えて暮らすことをせず、「一度、覚えた贅沢は、やめられまへんなぁ」と言って、直近の5年間は、借入金の残高を、毎年、350万円ずつ増やしながら、贅沢な生活をし、放蕩の限りを尽くしていたら、読者である貴方は、僕を、どのように思われますでしょうか。

 もちろん、実際の僕は、上記のようなことはありませんが、第1段落において、「僕」を、僕の祖国である日本国の政府に置き換え、金額を1000万倍にすれば、第1段落は、仮定の話ではなく、日本政府の財政状況の、大まかな記述になります。
返済期日までに、返済に必要な資金を工面できず、別の貸金業者からの借り入れによって調達した資金で、返済をする者を、多重債務者と呼ぶのならば、日本政府は、もう、とっくの昔から、多重債務者です

 何しろ、特別会計に関する法律46条1項には、臆することなく、「国債整理基金特別会計においては、各年度における国債の整理又は償還(=元本部分の返済)のために必要な金額を限度として、借換国債を発行することができる」と書かれています。つまり、「建設国債、赤字国債、復興債、借換国債などの、国債の種類を問わず、一旦、国債を発行し、その償還日までに、償還に必要な資金を工面できなければ、新たに(もしくは、再度)借換国債を発行して調達した資金で償還をして、構わないよ」ということです。

 もし、借換国債を発行しようとしても、引き受け手(=購入者)がいなくて、発行できなければ、この国は、どうなるか。皆さんは、お考えになったことが、ありますでしょうか。もしくは、「そんなことは、起こらないよ。そんな心配は、杞憂に過ぎない」と、一笑に付されますでしょうか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則