卒原発という言葉、新幹線の新駅、そして、言霊の幸ふ国 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 日本語には、言霊(ことだま)という言葉があります。日本では、「言葉には、神秘的な力が宿っている」と、考えられてきました。言霊(ことだま)という言葉は、漢字が伝来される以前から日本で使われている単語、いわゆる和語だと思われます。なので、特に、「口に出して言う言葉には、神秘的な力が宿っている」と、考えられてきたのではないでしょうか。

 電気事業連合会の会員企業である10電力会社のうち、沖縄電力を除く9電力会社、そして、その9電力会社によって85%以上の株式が所有されている日本原子力発電株式会社が、それぞれが運営管理する原子力発電所において、現に、発電をしていなくても、いわゆる使用済燃料棒(spent fuel rod)は、それぞれの原子力発電所の使用済燃料プール(spent fuel pool)の中に、鎮座したままです。
それをそのままにして、脱原発や卒原発という言葉を、さも、得意そうに、多くの人の前で口に出して言う人が居られるようですが、あまりにも情緒的過ぎると、言わざるを得ません。

 『原子力発電の美味しい部分は、残さず全部、美味しくいただきました。で、私は、脱原発、卒原発します。なので、私は、原子力発電の美味しくない部分とは、もう関係ないので、原子力発電の美味しくない部分をどうするかは、あまり考えていません。そんなことよりも、より便利で快適な生活をすることに、興味があるので、私の町にも新幹線の駅を作って欲しいです。えっ、「どうやって、電力の安定供給を確保するのか」って。そんなこと、私に訊かれても困ります。電気のことは、電気の会社の人に訊いてください。』

 まさか、そのような思いで、卒原発という言葉を、口に出して言われている訳ではないのでしょう。ただ、凡庸な僕には、何ゆえ、得意そうに卒原発という言葉を口に出して言われるのか、全く分かりません。「言霊の幸(さきわ)ふ国」という言葉は、もう、とっくに、死語なのでしょうか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則