子供のころ、ソニー株式会社の製品カタログを見てみると、プロフィールという商品名のカラーモニターテレビ(と言っても、テレビチューナーとスピーカーは内蔵せず、別売り)のページに、Gのマークが記されていて、驚かされたことが、ありました。
Gのマークは、グッドデザイン賞を意味するマーク。グッドデザイン金賞を受賞した製品であることが、このカラーモニターの宣伝文句の一つになっていました。
数多(あまた)ある製品の中から、「設計、特に、見て触ることができる部分の設計が優れていると、思われる製品」を選び、公表することは、通商産業省(現・経済産業省)がするべき仕事なのかな。そんな風に思い、釈然としないものを感じたように、記憶しています。先ほど、調べてみたら、この「グッドデザイン商品選定制度」は、1997年までは、通商産業省主催の制度で、そもそも、1957年に設立され、1963年から公募形式に移行した、とのこと。
まるで、芥川賞や日本レコード大賞の選定を、役人が主催しているかのようで、今、考えても、やはり、何だか釈然としません。
最近は、やたらと、世界遺産という言葉を見聞きしますが、これに関しても、同様に、釈然としないものを感じます。なぜ、長い歴史の中、今ごろになって、国際連合教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産委員会が、それなりの予算を組んで、「これは世界遺産であり、あれは世界遺産でない」などと、わざわざ、決める必要があるのか。
国際連合の専門機関の委員会が、それなりの予算を組んで、何やかや言わなくたって、鎌倉の社寺も、京都の文化財も、姫路城も、ずっと、大切な世界遺産であると、僕は思っています。
因みに、現在、保存修理工事が終盤に入っています姫路城大天守の見学は、今のところ、2015年3月27日に再開される予定だそうです。
兵庫県姫路市にて
佐藤 政則