原賠法の3条1項の但し書きに、打ちのめされて | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 昨年の3月1日に、「東電は、あと1年ほど経てば、(いわゆる)公害犯罪処罰法(昭和45年法律第142号)3条1項に関しては、時効が成立すると、思っているのではないか」と、書かせていただきました。
その直後、原子力損害の賠償に関する法律(原賠法、昭和36年法律第147号)の3条1項の但し書きを目にし、打ちのめされてしまいました。その結果、暗澹たる気持ちになり、約1年間、当ブログの投稿を、お休みさせていただきました。

原子力損害の賠償に関する法律3条1項
原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。


 いつになったら一定の区切りが付くのか分からないほどの、重大な原子力事故を引き起こしておきながら、なぜ、東京電力株式会社の経営陣は、「厚顔で恥知らず」と、誹(そし)られ兼ねない言動を続けることができるのか。

 1963(昭和38)年10月26日に、茨城県那珂郡東海村において、日本で初めて、原子力による発電が行われたそうですが、それよりも前に、こういう条文が盛り込まれた法律が、成立していました。
東電の経営陣にしてみれば、「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じた損害である」ことを、裁判長に認めさせさえすれば、損害を賠償する責めを免れ、株主総会で大株主に責められることはない、ということでしょうか。

 全ての法律は、全国民を代表する選挙された議員によって組織された(憲法43条1項)国会で審議され、成立します。なので、こういう条文が盛り込まれた法律を含め全ての法律が、現に存在することの責任は、全国民にあります。もちろん、1968年に生まれた僕も、日本国民の一人として、その責任の一端を担っています。

 なにかというと、ワーキャーと絶叫され、まるで、自分に酔いしれているだけかのように見える人達は、あまりにも、自責の念が足りな過ぎるのではないでしょうか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則