ペリー代将が率いた米国海軍艦船の来航と、廃藩置県 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 国土の面積が、人口の割には広くない日本において、地方分権を唱える人が居られるが、よくよく、話を伺ってみると、お金、税金の取り分を増やしたいという狙いが透けて見える人が、実に多い。現に、道州制を唱える人のうちの多くは、都市部にある地方公共団体に関係する人や、都市部の選挙区で選出された国会議員である。

 税源移譲がなされて得をするのは、人口が集中している地方の地方公共団体である。税源移譲がなされれば、人口が集中していない地方の地方公共団体は、割を食う。なぜ、廃藩置県を行ったのか、基本に立ち戻るべきである。
黒船来航と書けば、単に黒い煙を吐く蒸気船が来ただけのように聞こえてしまうが、米国海軍の、大砲を搭載した艦船が、東京湾の入り口、横須賀市の久里浜や浦賀にやって来て、開国を迫った。大砲を向けられて開国を迫られた結果、米国海軍艦船の来航の翌年に、日米和親条約が締結された。

 その後、大政奉還がなされ、名実共に明治の世になり、そして、日本国民が心を一つにして、近代化を推し進め、日本を再興させるために、廃藩置県を行ったのではないだろうか。そうしなければ、列強の支配を受けることになりかねないという、切迫した事情もあった。
明治以降、人口が集中している地方の人も、集中していない地方の人も、日本国民として、心を一つにして、国難を乗り越えてきたはずだ。

 和の心を大切にしてきたこの国の有り様を、やたらと地方分権を唱える人は、どう考えておられるのだろうか。「自分さえ良ければ」や「我が我が」を、いくら積み重ねても、現在の危難を乗り越えることはできないと、私は思っている。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則