財投債を発行して公共事業を行うことは、脱法行為である | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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財政法29条
内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。
一  法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合
二  予算作成に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合



 のっけから長い引用で、申し訳ない。毎度のことであるが、この国の政府は、毎年度、まるで年中行事であるかのように、補正予算を組んでいる。財政法29条を、真っ向から無視して、そうしている。
国の予算その他財政の基本に関することを定めている財政法(財政法1条)には、もちろん、罰則規定などない。「行政官庁の官僚や国会議員が、財政法に違反することなど、あるはずがない」から、罰則規定がないのであって、「財政法は、罰則規定がないから、無視して構わない法律」ということでは、決してない。

 特別会計に関する法律62条1項に基づく公債、いわゆる財投債を発行して調達したお金は、法律上は、「財政融資資金勘定において、財政融資資金の運用の財源に充てる」ことになっている。建前上は、運用された後、元金と、それに対応する利子が戻ってきて、財投債自体の償還に充てることになっている。当たり前のことだが、現実と建前は、多くの場合、同じにはならない。

 まして、「財投債を発行して調達したお金を、公共事業費に充てよう」とは、一体、何事か。公共事業費に充てれば、財投債自体の償還を、どうやって行うのか。「財投債を発行して調達したお金を、公共事業費に充てる」ことが、現行の法令に抵触しないと仮定してみても、その行為は、脱法行為であるという誹りを免れない。

 現在、国債及び政府借入金に対応する利払費は、1年間で13兆円前後である。その額を、更に増やし続けることが、この国の将来に対し、どう作用するのか、よく考えるべきである。
私は、一自民党党員であるが、そう思っている。正直申し上げれば、暗澹たる気持ちでいっぱいであるが、座して死を待つべきではないとも、思っている。本日から旅に出ます。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則