いわゆるバブル経済崩壊後の自民党政治を、振り返って | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 いわゆるバブル経済崩壊後、多くの国民のみならず、この国の政府も、茨の道を歩んできた。

 税収が減少する中、しばらくは、不良債権の処理を先送りしていた。どうにもこうにも先送りができなくなり、不良債権の処理を始めたが、「今は、ばんばん赤字国債(特例公債)を発行してでも、財政再建ではなく景気対策を、優先しろ」という多くの国民の声があり、済し崩し的に、赤字国債の発行と、償還を更に先送りするためだけの借換国債の発行が、繰り返されて、今に至っている。

 その間、この国では、内閣総理大臣が次から次に交代しているが、人の道に反する赤字国債の増発に関し、見せかけの懸念を表明するのではなく、本当に憂慮していたのは、橋本龍太郎氏と小泉純一郎氏ではないだろうか。

 財政構造改革の推進に関する特別措置法(平成9年法律第109号)と、郵政民営化法(平成17年法律第97号)。どちらも、公布後、どんどん骨抜きにされた法律だが、公布時の条文を見れば、両氏の憂慮が、見せかけのものではないことは、ご理解いただけると、思う。

 小泉純一郎内閣が、雇用確保だけが目的であるような、公共性に乏しい公共工事を大幅に減らしたことや、いわゆる労働者派遣法(昭和60年法律第88号)を改正したことなどを挙げて、「小泉内閣のせいで、格差が広がった」と言い、「だから、郵政民営化法も見直すべきだ」と言う人が、多く居られた。

 格差がどんどん広がっていることの、主要な原因は、株主(出資者)至上主義の会社制度などにあるのであって、それらを改めない限り、誰が内閣総理大臣を務めても、格差は広がる。今も、どんどん広がっている。
また、労働者派遣法は、昭和60年に公布されて以降、済し崩し的に改正されている。小泉内閣が、突然、法改正を始めた訳ではない。もちろん、私は、派遣法の第4条(派遣可能な業務の範囲について書かれている)は、公布時の条文に戻すべきだと考える者であり、派遣法の法改正の大半は、改悪だと思っている。

 新内閣の発足が、間近のようである。未だ、茨の道しか見えない。新首相は、是非とも、「過去及び現在の制度機構の中から健全なるものを生かし、古き無用なるものを除き、社会的欠陥を是正することに勇敢」自民党立党宣言より借用)であって欲しい。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則