もう、11月の下旬、日本全国、津々浦々、秋の祭りもほぼ終えた頃か。秋は、多くの農作物の収穫の時季。古来、この国では、農村、漁村、山村において、地球環境と調和して暮らし、地球環境から様々な恵みを受け取ってきた。
季節が一巡し、前年と同じように、地球環境と調和して暮らし、前年とほぼ同じ量の恵みを、地球環境から受け取る。受け取る量が、例年より多くても少なくても、地球環境から恵みを受け取れたことに感謝する。村人が集まり皆で祭りを行い、その気持ちを表現し、確認し合う。それを、年々歳々、繰り返す。
そこに、「実質GDPを増やすことは、常に善である」という思い込みは、無い。
少し、牧歌的な情景を想い起こさせるような書き方になってしまったが、私自身は、「地球環境と調和して暮らし、地球環境から恵みを受け取る」という人類の有り様に、古いも新しいもないと、思っている。水も、土も、鉄鉱石も、石炭も、石油も、天然ガスも、ウラン鉱石も、地球環境から受け取る恵みである。
実は、上記と同じことは、昨年1月に書かせていただいた。技術革新があれば、その分だけ、実質GDPが増えることはあるだろうが、「実質GDPが増えることのみが善である、何としても経済成長を達成すべきである」というのは、数値を見て、数値という記号の奥にあるこの世の有り様を、あまり見ていない者の言である。
本日は、11月の第4木曜日。米国では、神に感謝の意を捧げる(=thanksgiving)日、感謝祭の日です。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則