3年間と言わず、10年(間)だっていいんだ。
そう、うそぶいたそうである。前々回の投稿で、「赤字国債発行の違法性(財政法4条1項に違反している)を、3か年度まとめて、阻却(そきゃく)しようなどとは、言語道断である」と、書かせていただいた。無責任極まる冒頭の発言は、自民党執行部のうちの一人の発言だそうだ。
自民党と言えど、赤字国債を発行することに対しその程度の認識しか持っていない、現、前国会議員は実に多いと、感じている。「膨大な額の財政赤字に関し、消費税率を引き上げれば、少しは良くなるのではないか」と思っているのが自民党国会議員の大半だとすれば、おそらく、そうだろう。思慮が足りな過ぎると、言わざるを得ない。
ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)などという西洋の言葉を持ち出すまでもなく、重要な地位にある者は、その地位に相応しい義務を果たすべきである。なので、私は、特に国会議員の言動を評価するときは、かなり厳しく評価する。
満点が100点で及第点を50点とすれば、自民党は30点ほどで、民主党は10点前後。ここ数年、そういう言い方を、私は度々してきた。民主党にいたっては、最早、点数を付ける気にもならない。
4条国債の残高は、ほぼ横ばいで推移しているが、赤字国債の残高は、増え続けている。赤字国債残高の年度毎の増加額を、直近10年に限り拾い上げると、次のようなる。
32,27,22,8,17,16 (2003年度から2008年度、単位は兆円)
35,34,21,39 (2009年度から2012年度、単位は兆円)
2009年度に民主党が政権を取り補正予算を組んで以降、ざっくり言えば、毎日毎日、883億円ずつ、赤字国債残高が増えている。そのことを踏まえて、もう一度、冒頭の発言を読み返していただきたい。「思慮が足りな過ぎる」と申し上げるのは、果たして、言い過ぎだろうか。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則