官僚が絶対に損をしない、この国の社会保険制度 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 米国大統領選挙は、西暦の年数が4で割り切れる年に行われ、新しい大統領は、その翌年の1月20日に就任する。ケネディ大統領が、就任演説の中で、
"Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country."
「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何をすることができるかを、考えてください」

と呼びかけたのは、半世紀以上前の1961年1月20日。

 この演説は、数少ない、国民に対し連帯を求めた演説だと、思う。日本の憲法や法令で、国民の連帯に触れたものは、あまりないのではないか。国民年金法の、目的が書かれている条文である第1条くらいしか、思い付かない。

国民年金法1条
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。


 同法1条に、こう書かれてはいるが、社会保障の中の社会保険と呼ばれる分野は、子細に見れば、後期高齢者医療制度を除き、ことごとく、職域によって、制度が分割されている。職域によって社会保険の制度を分割し、公務員が絶対に損をしないように、様々な工夫が凝らされている。
社会保険の制度に限らないが、社会保険の制度には、官尊民卑の考えが、しっかり埋め込まれている。なので、もし、日本の首相が所信表明演説で、ケネディ大統領のように、国民の連帯を呼びかけても、国民の心には響かないだろう。

 この国の財政に、国家公務員共済組合法99条2項を残存させる余裕は、もうない。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則