公債特例法未成立の今、どの予算の執行から抑制すべきか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 昨日から、もう10月。本年度も、10月末が納付期限である9月分の厚生年金保険料から、保険料率が、微増されて16.766%になった。

 16.766%の半分、8.383%は、厚生年金保険法82条1項に基づき、事業主が負担する。このことを以て、「本来は、私が負担すべき保険料の半分を、事業主が負担してくれている。有り難いことだ」と思われている方が、おられる。
そう思われている方にとっては、残念なお知らせになってしまうが、そう思うことは、事業主半額負担の仕組みを考え出した厚生官僚の、思う壷である。

 事業主は、事業主半額負担の仕組みがあるので、給与手当という勘定科目で費用計上する予定の金額を少し削減し、その分を、法定福利費という勘定科目で費用計上している。もし、厚生年金保険法が改正されて、半額ではなく全額を事業主が負担することになったら、事業主は、給与を更に削減し、その分、法定福利費を増やすことになる。

 なので、厚生年金保険の被保険者は、よくよく、気を付けていただきたい。騙されていると言って言い過ぎではない、かもしれないからだ。もちろん、被保険者を騙しているかもしれない者とは、事業主ではなく、厚生労働官僚だ。

 「騙しているかもしれない」という文言を、敢えて使わせていただいた。国家公務員共済組合法99条2項に、短期給付や長期給付などに要する費用に対する国庫負担割合が2分の1である旨が、書かれているからである。
社会保険制度を、職域によって分割し、自らが属する共済組合という制度には、国庫から、どんどん資金を流す。そして、自らが属さない厚生年金保険という制度には、国庫から資金をあまり流さず、保険料率を、2017年度まで毎年度、上げ続ける。

 公債特例法が成立せず、予算の執行を抑制しなければならない状況になれば、まず、何から抑制すべきか。今すぐ、強い政権を誕生させなければならない。民主党政権の延命を誰よりも望んでいるのは、官僚である。


兵庫県姫路市にて
佐藤 政則