ここ数日、日本のいわゆる完成車メーカーの、国内生産縮小を伝えるニュースが続いた。日産は、来月、追浜(おっぱま)工場の生産ライン2本のうち1本を停止、トヨタは、来年5月に、ヴィッツの生産をフランスに移管、ホンダは、来年にも、埼玉製作所の生産能力を半分に削減、とのことである。
日産の追浜工場は、神奈川県横須賀市北部の、東京湾沿いにある。追浜は、元々、大日本帝国海軍の航空隊が置かれていた地である。
「人員削減は行わない」と報道されているが、あくまでも「当面は」ということだろうし、完成車メーカーに部品を納入しているメーカーの国内での雇用は、どうなるのだろうか。
39年前の2月に、当時、自由主義陣営の盟主であった米国のニクソン政権によって、ほぼ強制的に導入された変動相場制の是非について、結論を出すべき時が来ていると、思う。
この国の政治的指導者は、外交において、他の先進国の政治的指導者に対し、あまり、持論をはっきりと述べない。あまり、是を是と、非を非と、言わない。心の奥底で、「敗戦国だから、仕方がない」と、思っているのだろうか。
60年前の4月に、サンフランシスコ条約(日本国との平和条約)が発効したことにより、部分的に制限されていた、この国の国家主権は、回復した。つまり、戦勝国と敗戦国という関係が終わり、対等の関係に戻った。
「変動相場制をやめる」という文言を盛り込んだ日米通貨条約を、結ぶべきである。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則