経済成長を促すための様々な仕掛けが、経済が成長した後も温存され続けている。また、多くの国民が、政治にさほど関心がないことを利用して、余りに不合理で不公平な仕組みが、次々に、制度化される。その結果、ごく少数の投資家に、多くの金融資産が集積されていく。
どの先進国においても、税制は、所得への課税と消費への課税が大半を占める。税目(租税の種目)の分類がかなり大雑把な資料ではあるが、税目の内訳を国際比較した資料が、財務省のウェブサイトに載せられているので、ご覧頂きたい。
ごく少数の投資家に、多くの金融資産が集積されて、金融資産の寡占、独占が、ある程度以上進めば、税収は確実に減少し、並行して、社会保障費が増大する。その結果、財政赤字が慢性化する。多くの先進国の財政が、時を同じくして、深刻な赤字に陥っているのは、決して偶然ではない。
この国の赤字国債の発行残高は、既に、一般会計税収の約10倍である。そもそも、赤字国債を発行するということは、収入以上の生活をしているということである。収入以上の生活をしていることこそが、財政赤字慢性化の主な原因である。
"収入以上の生活"を、なんら解消せずに、単に、その減りつつある収入を元手として行われるお買い物(の売り上げ)に課す消費税の税率を、10%に引き上げても、50%に引き上げても、財政の単年度黒字化は実現できない。税制の構造を変更せずに、単に消費税率を引き上げる政策は、意図的に失業率を引き上げる政策であると言って、言い過ぎではない。
簡潔な説明がなかなかできなくて、大変申し訳ないです。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則