歳入とは、一会計年度における一切の収入をいい、歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう(財政法2条4項)。現在、執行中の、平成24年度本予算の歳出は、財政法4条1項に違反し、赤字国債をも財源としている。その違法性を阻却する(無くする)ための、平成24年度公債特例法は、成立していない。
国民年金法85条1項により、国庫は、国民年金の給付に要する費用の一部を、負担しなければならない。その財源を確保する等のために、「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案」が、今国会に提出されている。例の年金交付国債に関する条文も含まれていて、成立すれば年金交付国債発行の根拠となる、法律案である。成立していない。
仮に、成立して、年金交付国債とやらを発行し、年金積立金管理運用独立行政法人に交付し寄託した(預けた)としても、それだけでは、国民年金の給付に要する費用の一部を負担したことにならない。前述の法律案には、「年金交付国債の償還に係る事項は、別に法律で定める」とあり、年金交付国債は、償還日さえ決めずに発行される。
国民年金の給付に要する費用の一部の財源に、こんなに怪しげな年金交付国債を充当しようとする厚生労働官僚。彼ら自身の、老齢年金(退職共済年金)を含む"長期給付"に要する費用の半分は、昔からずっと、国庫が負担している。
国家公務員共済組合法99条2項を、是非、参照していただきたい。私が、心ならずも、"官僚の暴走"とまで書く心情を、ご理解いただけるのではないか。全ての日本国民は、法の下に平等である。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則