不信任案の票読みも、税収総額の読みもできない総裁 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 私は、心の狭い人間なので、昨年6月2日の出来事を、今も根に持っている。当時、与野党とも、菅直人首相を辞めさせようと、躍起になっていた。
私も一日本国民として非力ながら、倒閣に向けて捨て石に、いや、砂一粒にでもなれるならと思い、財政法4条1項を論拠として、菅直人氏らを非告発人とする告発状を東京地検に提出し、受理していただけるよう、眠い目をこすりながら、何度も東京地検に出向いていた。

 内閣不信任決議案、もしくは、内閣信任決議案を発議するには、50人以上の賛成者の署名が必要である(衆議院規則第28条の3)。もちろん、小党であっても寄り集まれば、その発議ができれるが、自民党は、野党第一党である。その自民党の総裁、谷垣禎一氏ほか10名が議案提出者となり、昨年6月1日に、内閣不信任決議案を提出した。

 案の定、菅首相は、解散をちらつかせた。政策とは常に具体策のことであるが、なんとしても実現させたい政策があるでもなく、また、これといった政治信念を秘めているでもない、多くの民主党所属の衆議院議員は、高額の歳費(給与)に2年以上の残任期を掛け算してみて、その金額に目がくらんだのか、採決において、前言をひるがえし青票を投じた。
小澤氏にいたっては、本会議場という仕事場に来ることさえしなかった。

 内閣不信任決議案の否決は、信任を意味する。谷垣禎一氏ほか10名は、確実な票読みをせぬまま、壁に突っ込んでいき、正面突破できず、結果として、菅内閣を信任してしまった訳である。ほか10名は、さておき、谷垣禎一氏は、自民党総裁である。菅内閣を信任してしまった責任は、免れない。
未だ、その責任をお取りになっていない。そのことを、心の狭い私は、今も根に持っている。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則