チュニジア、エジプト、リビア、シリア。昨年末以降、地中海沿岸の国々で、民主化を求める大規模な民衆運動が、互いに影響し合うかのように、次々と起きている。リビアにいたっては、内戦に発展した。近代国家とは何だろうかと、改めて考えてしまう。
世界の限られた国々が、強大な軍事力を後ろ盾にして、自国の領土以外の土地及びその土地に住む人々を支配した時代が、かつてあり、その限られた国々は、植民地争奪戦を繰り広げた。人類の歴史とは、結局、天然資源奪い合いの歴史なのだろうか。
領土、領海の上の部分が領空だと言っても、領空には、限りがある。他国の人工衛星が自国の上空に存在しても、領空を侵犯したことにはならない。領土の下の部分と、排他的経済水域の海底の下の部分は、どうか。「領土は地下何メートルまで」などという決まりは、調べてみたが、案の定、見つからなかった。
技術が進み、かなり深いところでも、海底油田の開発が進められている。昨年の春、メキシコ湾内にあるBP社の海底油田で、原油流出事故が起きたが、その油田は、米国の排他的経済水域の海底の下の部分にある。領空に限りがあるように、地下深くの部分に関しても、何らかの取り決めが必要だと、私は思う。
人類は、地球の表面にある土地を切り開いて、農地を作り都市を作ってきたが、地球そのものは、人類が作った訳ではない。地球の内部に関しては、南極の扱いに似た扱いをすべきではないだろうか。
神奈川県にて
佐藤 政則