「国民の生活が第一。」、おかしいなと、思った。前回の衆議院議員総選挙の際、よく見聞きした、ある政党の文句である。最近では、「資産は国民。」というのも、あるそうだ。なお、怪しげである。
土地建物や機械装置は、資産に計上できるが、人身は計上できない。人身売買は、いかなる場合も許されないからだ。どんどん、国民を利用しようということなのか。
「○○が第一」と言うことは、複数のものを比較し、第一、第二、第三と、順位を決めたわけだ。まつりごと、政治とは、生活の基盤を整えることだ。それ以外は、あり得ない。第二も第三も、無い。
その党では、「国民の生活」が、選挙の前だけ、第一になり、普段は、別の何かが第一なのか。
テレビタレントのオーディションをしているのなら、「A美さんが第一、B子さんが第二、C恵さんが第三」と言っても、なんら問題はない。しかし、私生活において、A美さんに対して、「今のところ、君が第一だからね」と、本心を、飾らずそのまま伝えるだろうか。心の中では「A美さんが第一、B子さんが第二、C恵さんが第三」と、順位を決めていても、普通は、それを口に出して言わない。
しかし、その党は、国民に対し「国民の生活が第一。」と、はっきりおっしゃる。だから、おかしいなと、私はずっと思っている。
こう言えば、ウケがいいんじゃないのか。ああすれば、支持率が上がるんじゃないのか。政治家としての判断基準や信念を持っていないから、そうやって、周りの人の顔色をうかがってばかりいるのではないのか。
私は、荒っぽいやり方は苦手なので、とても穏便な方法で、菅直人首相に、衆議院解散の閣議決定を即時行なうよう、迫っている。が、世の中には、荒っぽいやり方が苦手ではない人も、おられるようである。