これは、自動車の免許にたとえると、分かり易いと思います。
自動車の運転は、原則、禁止されていて、免許証を取得した者のみ、運転が許可されます。
赤字国債の発行は、原則、禁止されていて、公債特例法に従い、成立した予算に基づく場合のみ、赤字国債を発行することが許可されます。
そして、くどいようだけれども、下記の財政法4条1項(*)を、財源という単語に注意しながら、今一度読んでみていただきたい。何をもって歳出の財源としなければならないかが、書かれている。赤字国債の歳入を、歳出の財源にすること自体を、禁じている。
公債特例法を制定せずに、赤字国債を盛り込んだ予算を制定し執行を始めれば、実際に、その予算に基づく赤字国債を発行しなくても、違法である。予算の執行を始めた時点で、赤字国債の歳入を歳出の財源にするという行為も、始まるからである。
だから、公債特例法という免許証なしに、赤字国債発行を盛り込んだ予算を執行すれば、無免許運転です。
ざっくりではなく、きっちり言えば、財政法4条1項は、赤字国債の発行だけでなく、赤字国債の歳入を以て歳出の財源にすることも、禁止する条文です。
この点を、強調していなかったから、近い知り合いの間でも、結構、伝わっていなかった。言葉が足りず、申し訳ないことをしました

(*)財政法4条1項
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。