日本の公的年金制度は、こちらのページにあるように、「国民年金を基礎として3階建てになっている」と、説明されることが多い。国民年金の被保険者を3つの種別に分ける、現在の仕組みが始まったのは、1986(昭和61)年4月1日である。この昭和61年の年金制度改正において、「全国民共通に給付される基礎年金を創設」した旨が、厚生労働省年金局のページに書かれている。
可能な限り規則や制度を複雑にして、その規則や制度に異議を唱える人を減らし、その規則や制度を管理し運営する仕事を温存し、その規則や制度に基づく権限を維持することは、この世の常である。公的年金制度は、その典型的な例である。
さきほど、「全国民共通に給付される基礎年金を創設」した旨が、厚生労働省年金局のページに書かれていると、申し上げたが、私は、1986(昭和61)年4月の公的年金制度改正は、改正ではないと、確信している。
改正と呼べるほどの変更を行っていないのに、年金局は、わざわざ改正と謳っている。理由は何か。公的年金制度は、一貫して一般職の国家公務員にとって都合がいいように制度設計されていることを、可能な限り指摘されないようにするためである。
一般職の国家公務員が、現役生活の途中において、いわゆる天下りを繰り返すことも考慮に入れた上で、一般職の国家公務員にとって都合がいいように、公的年金制度は設計されている。改正と謳うことによって、職域別に分けられている年金の一元化に向けて、作業が進んでいるかのように、装っている。改良して装うことを改装と言い、偽って装うことを偽装と言う。
長くなったので、詳しい説明は、日を改めて書き進めて参ります。