今は、黄金週間と呼ばれる大型連休まっただ中。四月に新年度が始まり、新しい環境に順応しようと張り切りすぎた反動で、そろそろ気力が失せて、ふさぎ込んでしまう者もいる。五月病などと、呼ばれている。ことほどさように、心身ともに健康を保つことは、むずかしい。
だから公的医療保険があり、日本に住む全ての人は、いずれかの公的医療保険に加入することになっている。健康保険、国民健康保険、共済組合などの公的医療保険は、別々の制度なので、本来は独立して採算しているはずである。
実際は、どうか。
1年間の一人当たりの医療費の額は、おおむね、高齢者になるほど大きい。14歳以下の人は、1年間一人当たり約13万円。15-44歳の人は、約10万円。45-64歳の人は、約26万円。65歳以上の人は、約64万円。
各医療保険制度は、どれも財政が厳しいが、特に、国民健康保険の財政が厳しい。高齢者の多くは、無職であり、国民健康保険に加入しているからである。財政が特に厳しい国民健康保険や後期高齢者医療制度に、健康保険や共済組合から、強制的にお金を流している。医療費負担の不均衡を、調整するためである。
現役時代に健康保険や共済組合に加入していた人が、高齢になり退職し、収入が減って医療費が高額になる頃には、国民健康保険に在籍している。そうすれば、健康保険や共済組合の財政は、とりあえず悪くならない。現在の職業別組織別の公的医療保険制度そのものが、高齢者を邪魔者扱いしている。
全ての公的医療保険を一本化すべきである。自分が加入している保険制度だけ財政が悪くならなければ、つまり、自分さえ良ければ、それでいいのか。日本人は、いつからそんな料簡が狭い国民になったのか。そもそも保険とは何なのか。
私は、当たり前のことを申し上げているつもりである。