「かなり、いい具合にいっていますよ……それで思いだしたが、牧師さんの奥さんが、昔ふうの台所のように仕切った模擬店を作って、炒り豆やドーナツや、パイやそういったものを、夕食に出したら、よくはないかと、考えていなさるんだよ。わたしたちは、そこいらじゅうで、昔ふうの道具をかき集めているところでね。サイモン・フレッチャーさんのところでは、おっかさんの編んだ敷物を貸してくれることになっているし、レイヴィー・ボールターさんからは古い、瀬戸物を、メアリ・ショーおばさんには、ガラス戸のついた食器棚をかりることになっているのだけれどね。マリラはあの、真鍮の燭台を貸してくれるでしょうね?それからまだ、手に入るかぎり、古いお皿もほしいのだし。牧師夫人ときたら、できればほんものの呉須焼きのお皿を一枚、ぜひともつかいたいと言ってなさるのだけれども。もっているような人の心あたりがないんでね。あんたどこか、ありそうなところを知ってなさらんかね?」
「ミス・ジョゼフィン・バーリーが一枚、もってなさるわ。貸してくださうかどうか。手紙で問いあわせましょう」
モンゴメリ『アンの青春』第十四章-神のたすけ-より
柳と橋、そして楼閣。
呉須のお皿。
というキーワードで、一気に「乙女モード」に振れているなーごでございます(笑)。
アン・ブックスには「ウィローパターン」という言葉は出てこないのですが、割と雑貨好きの私が「ウィローパターン」というデザインを知ったのは、『私の雑貨』という学研のムック本でした。
(今もあるのかどうか、知りませんが)
手元に二冊だけ残っています。
「中国の悲哀物語が綴られたウィローパターン」
ウィローパターンは、中国や日本の磁器に由来する文様で、このような東洋趣味はシノワズリーと呼ばれてヨーロッパ諸国でも取り上げられました。
(中略)
この図柄は中国の子守り唄に由来する悲哀物語がモチーフになっています。
税官吏の長の一族の娘と長の秘書室の青年が恋におちたものの反対され、娘は政略結婚で年上の貴族の軍人と結婚させられそうになるのですが、二人は駆け落ちして逃げたというお話です。
大きな城は娘の家で、小舟に乗っているのは娘を連れ出そうとした青年で、柳の上の一対の鳩は純愛の象徴とされています。
学研「私の雑貨」№14 1997春夏号 より


こんな感じだったのかしら?
あちこちの海を渡ったステーキ皿。
今回ちょっと調べたところ、駆け落ちした二人はしばらく小島で幸せに暮らしたようですが、恥をかかされた貴族の軍人がとうとう二人を見つけ、青年を殺し、それを見た娘が水に身を投げて命を絶った、という結末のようでした。
それを哀れに思った神様が、二人の魂を二羽の鳥に変えたとか。
「比翼の鳥」という言葉も出てきましたが、あれは白居易の『長恨歌』に出てきたんでしたっけ。
(『楊貴妃』伝説で調べたんだよね~~)
一時期、ウィローパターンを探したことがありました。
まぁ、手に入れてはいないんですけどね(笑)。
アンは私以上のロマンティック体質なので、ウィローパターンのお話を聞いたら、どんな感想を持ったのでしょうね。
由来となったという「中国の子守り唄」も探してみたのですが・・・。
♪ねんねこしゃっしゃりま~せ~
しか、検索で引っかかりませんでした・・・orz
さて。
そろそろ眠くなってきました。
寝ん猫、寝ん猫・・・zzz
おやすみなさいませ・・・。
※ミス・ジョセフィン・バーリーのお皿。
かなり悲惨な末路です。
※レイチェル・リンドの小母さん。
他所の家の持ち物に通じ過ぎっ!!
CIAもビックリ、だよ(笑)。