『恋人よ』⑨。 | 雨の降る日も晴れた日も

雨の降る日も晴れた日も

日々の感じた事を綴ります。



美緒との一件が勤めていた短大に知られ、職を失う航平。

美緒を愛していた達也にも恨まれて。



そして愛永はよそよそしい。

自分が裏切ってしまったせいか?


それだけではないのだが、まだ航平はその理由を知らない。



ボロボロになっていた航平と愛に絶望した愛永を救ったのは、今は夫婦となった粧子と遼太郎だった。


初めて出逢った場所でもう一度一から始める。

そのためにあの日と同じ部屋を取り、二人をそこでもう一度出逢わせる。




やっと。

心が通じ合った愛永と航平。



航平はその部屋で愛永にプロポーズをする。


愛永の頬を伝う涙を拭こうとして航平はその熱さに驚く。




「幸せになろう」

と言う航平に、

「私、幸せよ?」

と応える愛永。



熱を帯びた愛永をただ抱きしめる航平。

そしていつの間にか眠ってしまう。



目が覚めたとき、愛永の姿はなかった。


かねてから準備していた三浦三崎の療養所に入院したのだ。

たぶん生きては出られない。

愛永の終の棲家。



自分の最期を看取らせるという重荷を航平に背負わせることに戸惑う愛永。


そこで愛永は一つの賭けをした。



あの頃。

黄色いハンカチを合図に私書箱で文通をしていたあの借家。


そこの垣根に古ぼけた黄色いハンカチを結んでおいたのだ。

これを航平が見つけてくれたならばすべてを告白しよう。



はたして航平はハンカチを見つける。

愛永のメッセージを受け止めた航平。

そのハンカチを握りしめ、私書箱のある郵便局へ向かう。


郵便局では3日間だけ、という約束で愛永に私書箱を貸していた。

私書箱の中には愛永からの手紙があった。



「親愛なるあなたへ」

それまでと変わらない書き出しで始まる愛永の手紙の内容はとても重いものだった。



死を予感した手紙。

航平は愛永のいる療養所に向かう。


愛永の最期を看取る決心をして。




食欲が衰え、薬の影響で髪が落ち、少しずつ命の灯火が消えてゆく愛永。




クリスマスの夜。

航平は愛永に真っ白な寝間着をプレゼントする。

そしてもうひとつ。

霞のようなヴェールが付いた真っ白な帽子。



車椅子を押して療養所のチャペルに向かう二人。

そこには愛永の父や遼太郎、粧子、安輝、担当の橋爪医師が待っていた。


皆の祝福の中。

二人は結婚式を挙げた。



それから三日後。

愛永はこの世を去った。


29年の人生だった。


そして最後の恋文が航平の手に託された。






※以上、フジテレビ『恋人よ』より要約