こんにちは。
皆さん、お元気でしょうか。
私はですね。
先日、ある重大な事件に直面したのです。
それは、
平日の夕方。
ほんの軽い気持ちで、
近くのスーパーへ行った、
その時でした。
『食材の買い出し』
です。
冷蔵庫が、
スッカラカンだったのです。
明日のお弁当の卵と、
お水のペットボトルを数本。
それだけを、
カゴに入れて、
サクッと帰るはずでした。
では、いったい、
何が起きたのでしょうか。
ここで、
少し、
お話しさせてください。
スーパーの自動ドアをくぐります。
冷えた空気が、
心地よいです。
カートを押し、
野菜コーナーを抜けます。
トマトが赤くて、
美味しそうです。
しかし、
今日の私は違います。
「目的のものを、
素早く買って帰る。」
強い意志を、
持っていたのです。
ところが、
曲がり角を曲がった、
その瞬間でした。
目の前に現れたのは、
特設コーナーだったのです。
そこには、
見慣れないお菓子が、
山のように積まれていました。
『世界各国のお祭りスナックフェア』
という看板が、
掲げられていたのです。
ここで、
問題になるのが、
『人間の弱さ』
というものです。
私たちは、
日々の生活の中で、
知らず知らずのうちに、
疲弊しています。
仕事や家事で、
心がすり減っているのです。
そんな時、
目の前に現れる、
異国のスパイスの香り。
それは、
単なるお菓子ではありません。
日々のストレスから解放してくれる、
ひとときの逃避行。
人によっては、
それ以上の意味を、
持っているのです。
私は、
立ち止まってしまいました。
足が、
動かなくなったのです。
手に持っていたカゴには、
すでに、
メキシコ産のトルティーヤチップスが、
吸い込まれるように、
入っていました。
なぜでしょうか。
自分でも、
よくわかりません。
気がついたら、
レジの前に並んでいました。
そして、
ベルトコンベアの上に置かれた商品を、
見て、
私は絶句したのです。
卵と水を買うはずが、
なぜか、
世界一周旅行のような荷物に、
なっていたのです。
ハワイアンなマカダミアナッツ。
イタリア産の高級オリーブオイル。
なぜか、
見たこともない巨大なチーズ。
総額、
恐ろしい金額になっていました。
財布の中身が、
軽くなります。
私の心も、
同時に、
軽くなりました。
いや、
軽くなったというより、
魂が抜けた、
という表現が正しいかもしれません。
これは、
スゴイことです!!
私たちは、
ただ夕飯の支度をしようとしただけなのに、
気づけば、
財布の紐を全解放しているのです。
ここで、
少し、
話しは変わりますが、
人生というものも、
これと似ているのではないでしょうか。
私たちは、
まっすぐ目的地へ向かっているつもりです。
「これをしよう」
「あれをしよう」
そうやって、
計画を立てて生きているのです。
けれど、
人生のあちこちに、
誘惑のスーパーマーケットが広がっています。
予定外の出来事。
思いがけない出会い。
心を奪われるような景色。
それらはすべて、
私たちの人生のカートの中に、
ポンポンと放り込まれていくのです。
計画通りにいかない。
むしろ、
脱線してばかりいる。
でも、
本当に、
それはいけないことなのでしょうか。
予定外に買った、
あの謎のスパイスのおかげで、
今日の晩ご飯が、
思いがけないほど美味しくなるかもしれない。
そう考えると、
余計なものを買ってしまうこの行動も、
宇宙の壮大な計画の一部なのかもしれません。
ちょっと大げさですね。
でも、
本当に、
そう思えてくるのです。
目の前にある小さな誘惑。
それに負けてしまう自分。
それもまた、
人間らしくて、
最高に愛おしいことなのだと思います。
だからこそ、
次にもしスーパーに行くときは、
私は、
心構えを変えなければなりません。
「今日は絶対に誘惑に負けない」
そう誓って、
出かけるのです。
もっとも、
店に入った瞬間に、
その誓いは木端微塵に粉砕されるのですが。
それでもいいのです。
人生とは、
カゴの中に、
どれだけワクワクする無駄なものを詰め込めるか、
その勝負なのですから。
皆さんのおうちの冷蔵庫にも、
今、
「なぜ買ったのか分からない謎の食品」が、
眠っているのではないでしょうか。
もしあったなら、
それは間違いなく、
人生を楽しくするための、
最高のスパイスなのです。
本当に、
スゴイことだと思います。
それでは、
また。