マイ・アントニーア
Amazon本の概要
ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、
ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。
「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農婦として大地に根差した生き方を選ぶ。
開拓時代の暮しや西部の壮大な自然を生き生きと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。
著者のウィラ・キャザーは20世紀前半の米文学を代表する作家のひとりであり、
その作風は後進のフィッツジェラルドなどに影響を与えた。
アメリカで国民的文学として長く読み継がれてきた名作を
親しみやすい新訳で贈る。
★★★☆☆
『大草原の小さな家』シリーズが大好きで、子どもの頃から何度も何度も読み返しているのだけれど、西部開拓時代の暮らしを描いた本を他に読んだことがなかったと気がついて、図書館で借りてみたのがこの本。
西部開拓時代というと、私の中では、厳しい自然と闘いながら、少しずつ人間の暮らしやすい町を作っていく。そして、それと同時に人間の社会も少しずつ広がっていく――そんなイメージがある。
だから、すでに町も社会もある程度できあがったところで暮らす人々の人間模様が中心となる本作は、正直なところ、最初に期待していたものとは少し違っていた。
私が読みたかったのは、もっと開拓時代そのもの、人々がどんな暮らしをして、どんな苦労をしていたのかが描かれた物語だったのだと思う。
とはいえ、あの時代を生きた人々の生き方や価値観が描かれているという点では、興味深く読むことができた。
そして何より、とにかくアントニアが幸せそうでよかった。
結婚して、たくさんの子どもたちに囲まれて、かつては苦しかった生活も少しずつ良くなっていく。彼女が思い描いていた「幸せ」って、きっとこういうものだったのだろう。
前半に比べると、後半の街での生活はあまり面白く感じなかった。特にリーナとの恋愛パートは、「これ、必要なのか?」と思ってしまうくらい。
リーナという女の子の魅力も、私にはいまひとつ伝わってこなかった。
そもそも、語り手であるジムにも、それほど魅力を感じなかったので、二人の恋愛に興味がもてなかったのかも。
期待していた「開拓時代の暮らし」とは少し違ったけれど、あの時代の人々がどんな幸せを求めて生きていたのかを考えさせられる一冊だった。




