はじめまして。私たちは、長野県長野市信州新町の信級(のぶしな)という集落で子育てをしながら暮らしている、信級区育成会と申します。信州新町地区は、NHKの「小さな旅」にて昨年放送されたこともありご存知の方もいるかもしれません。

この度、私たちの集落の入り口でもある、長野市信州新町日原地区に、
株式会社R-EARTH(リアース)による巨大な産業廃棄物焼却施設の建設が計画されており、豊かな自然環境と、過疎化の進む周辺地域の未来を壊しかねないこの計画を阻止する為に署名を集めることになりました。集まった署名は許認可を判断する長野市長、荻原健司市長へ届けます。

少し長くなりますが、最後までお読み頂ければ幸いです。

長野市信州新町信級(のぶしな)地区は、過疎化の進むいわゆる限界集落と呼ばれる地域ですが、ここ十数年の間に移住者が増え続けており、現在では9人の子供達が豊かな自然に囲まれながら育っています。私たちがこの集落に移住を決めると、村のお爺ちゃんやお婆ちゃんはいつも

「どうしてこんな何もないところにわざわざきた?」と聞きます。

謙遜でもなく、確かにここに、何があるのかと言われても「何もない」と答えるのが正解のような気がします。しかし、ここには「何もない」ことによって育まれた美しい水や、信頼できる空気、自然と友達になるような暮らしがあります。

そんな穏やかな里山に、

株式会社R-EARTH(リアース、従業員5名、代表 増田景一)

により、総工費約25億円をかけて、産業廃棄物焼却施設が建設されようとしています。設置される焼却炉では、1日あたり、88トンのゴミを燃やします。長野県最大の産業廃棄物焼却炉が1日あたり90トンの焼却能力ですから、今回計画されている焼却炉は長野県最大級の産業廃棄物焼却炉となる予定です。大自然の中で、24時間稼働でゴミを燃やし続けるのです。(年間300日稼働予定)

ゴミはどこからやってくるのかというと、6-7割は、長野県外からやってくるそうです。感染性廃棄物もここで焼却される予定になっています。

もし、この計画が長野市に認められ、実際にこの地域に産廃廃棄物焼却施設が出来たら何が起きるのか、想像してみます。

まず最初に、産廃施設の稼働が始まれば、この文章を書いている私を含めて、この地に移住し、定住した子育て世代の中にも、この土地を離れる選択をする家族も出てくるかもしれません。少なくともこれを書いている私(加藤)は、現実的に考え始めています。

また、私たちの住む信級地区は、ここのところ移住者が増えてきましたが、この産廃施設ができてしまえば今後新しい移住者の増加は見込めず、特に子育て世代の移住者の増加は期待できなくなるでしょう。

長野市信州新町全体においても、やはり過疎化が進行しています。ただでさえ、子供の数が減り続ける信州新町に、さらなる過疎化に拍車をかけるこの産廃施設が建設されることは、地域の未来への希望を閉ざすことに他なりません。

計画地周辺には、絶滅危惧種に指定されている動植物もたくさん生きていることが様々な調査で確認されています。レッドリストに登録されている希少動植物です。この子たちの命も、危険にさらされることになるでしょう。

そして、何十年とこの地域に暮らしている方々が、皆口を揃えていうのは、この産業廃棄物焼却施設の建設予定地は本当に危ない土地だということです。

計画予定地は、山の谷間に位置し、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)に該当する土地であり、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)にも隣接しています。建設予定地沿いの長野県道393号線は、近年土砂崩落や、崖崩れが頻発しており、大きな台風が来る度に通行止めになるような場所です。

また、建設予定地に隣接する当信川(たにしながわ)は犀川へと繋がっています。万が一、崖崩れや土砂災害、洪水などで、施設が崩壊すれば、有害物質は犀川へ流れ出します。犀川の水は信州新町住民だけではなく、下流域の長野市、中野市、新潟県十日町市、小千谷市、長岡市、燕市等の水道水に使われています。これらの下流域を含めれば50万人以上の住民が口にする飲料水となります。

自然災害の影響で事故が起きれば、取り返しのつかない事態になることは容易に想像できます。

長野市長様、

どうかこのような自然豊かな里山に、しかも、自然災害と隣り合わせの危険な立地に、巨大な産業廃棄物焼却施設を作らせないでください。

私たち住民にとって、美しい空気や水こそ、生きていくための財産なのです。

それをこの地域から奪わないでください。

この地域の未来を、子供達から奪わないでください。

そしてここまで読んでくださった方々へ、本当にありがとうございます。

是非、オンライン署名や、紙をダウンロードしての署名にご協力頂ければ幸いです。皆様の賛同と、この署名の拡散へのご協力をお願いします。