2023年3月26日~4月11日 星組全国ツアー公演
ショーの方は2020年にバウで凪七瑠海コンサートとして公演されたものを、全国ツアー版として再構成。バウの時はコンサートというより岡田敬二名場面集で、二幕ものでしたが、全体的な構成がイマイチでした。全国ツアー版はどうでしょうか?しかし「ル・ポァゾン」の時もそうやったけど、「アゲイン」というのがダサい(笑)
上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール) 4月5日12時公演、2階3列目で観劇。
※ネタバレ注意。
●ロマンチック・レビュー「パッション・ダムール・アゲイン!」 作・演出/岡田敬二
◆プロローグ パッション・ダムール
スパニッシュ風のプロローグですが、今の宝塚では少ない手拍子できないリズムの曲調が、なんとも昭和感があって懐かしい感じがします。凪七瑠海がセンターで歌うのは、コンサートでも見てるからそんなに違和感はないけど、やっぱ歌が・・・。歌詞の「愛のマジシャン」ってのも昭和やなぁ。
ショーとなると瀬央ゆりあ、舞空瞳の存在感がグッと増します。
◆夢・アモール
「シトラスの風」より、「夢・アモール」を瀬央、極美慎、天飛華音の三人がカーテン前で歌います。この時点でこの作品のテーマ性や一貫性のないのがアリアリで、名場面集なんだなと割り切って見ることに。
◆アディオス・パンパミーア
バウ時は導入部に別の歌が入ってましたが、今回は「ネオ・ダンディズム!」のオリジナルに戻ってました。ガウチョの凪七のダンスがシャープでしたし、相手役の水乃ゆりと小顔コンビで良かったです。水乃も歌わなかったし(笑)
◆「ロマンス!」(Romance)
舞空が「ロマンス!」の主題歌を爽やかに歌います。唯一この全ツメンバーでは歌えるので安心して聴けると同時に、やっぱトップ娘役なんだなと再認識しますね。
◆愛の誘惑
「ル・ポァゾン 愛の媚薬」より、中詰風場面へ。まずは極美がパラダイスの歌手で「Another Day in Paradise」を歌います。ここは結構いい感じでしたね。
そしてアダムの瀬央が登場し、「Bad Power」から「Gigolo」は、オリジナル振付の喜多弘の男役クサさが秀逸。ここ手拍子いるかね? いやぁ~瀬央はカッコよかったし、舞空もアダルトな感じが素敵でした。
歌の音咲いつきも良かったです。
そして極美が天飛を女役にしてのセクシーなダンスもいいですね。
◆ノスタルジア
「シトラスの風」の三角関係の場面を、凪七・舞空・瀬央で。最初の曲が「ある晴れた日に」に変更になり、全体的な印象が少し変わったものの、三角関係の緊張感のある場面は健在でした。軍服の凪七はカッコいいです。「誰も寝てはならぬ」を使い、この作品では唯一の格調高い場面となりました。
◆ロケット
主題歌でのロケット。水乃もいたなぁ。
◆愛の歌(ボレロ)
フィナーレは「皇帝と魔女」より「愛の歌」をボレロにしての、黒燕尾と娘役はスパニッシュ風な衣装での場面で。男役だけがガッツリ踊らないので、少し物足りないけど振付はカッコいいです。
◆ALL BY MYSELF
パレード前に瀬央が白燕尾で4人の男役を引き連れての、なんだか意味ありげに感じてしまう場面でしが、この作品では凪七と瀬央が上手く配分されていて、そこが良かったと思いますね。
◆パレード
舞空のエトワールでパレードへ。瀬央は地元広島ですから、もう初っ端から拍手が凄くて、パレードでもそうでした。きちんと二番手羽根も背負えてたし。凪七はやっぱ主演でトップではない感じの衣装と羽根ながらも、上級生らしさがありましたね。
カーテンコールでは瀬央がご当地出身者として紹介され、大盛り上がりで幕となりました。
全体的な構成は良かったですし、懐かしいロマンチック・レビューの名場面の数々も良かったです。しかしやっぱ歌の面が気になりましたし、作品のテーマ性も弱いので、印象には残りにくい作品でした。