楠本見江子リサイタル「夢のあとさき 浪花の恋女房」 | 続アメマのおとしもの

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●昭和58年10月22日 うめだ花月
●楠本見江子リサイタル「夢のあとさき 浪花の恋女房」 作・演出 藤井賢
 
 
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【出演者】
長屋の女房(お見江)・・・楠本見江子
その夫(八助)・・・月亭八方
家主(染蔵)・・・林家小染
向かいの女房(お喜代)・・・南喜代子
その夫(市の助)・・・島田一の介
米屋(一太)・・・中川一美
酒屋(島吉)・・・島木譲二
八助の友人(憲太)・・・畑憲一
同(厳二)・・・姉川巌
長屋の住人(お京)・・・竹田京子
同(お久美)・・・天野久美子
寿司屋の出前持ち・・・梶原一弘
うなぎ屋の出前持ち・・・大塚淑夫
ゲスト・・・金田たつえ
 
【舞台】
河岸にある貧乏長屋。下手は向かいの家で、バックは土手河原。
 
【あらすじ】
怠け者の亭主・八助(月亭八方)に愚痴ひとつこぼさず手内職に精を出す世話女房のお見江(楠本見江子)。家主(林家小染)の説得で八助は改心して働き出そうとすると、目の前に五十両の入った財布の落とし物。またまた働くのをやめて近所の連中と」どんちゃん騒ぎ。そこでお見江と家主は一計を案じて、五十両を拾ったのは夢ということに。拾った金をあてに酔っぱらって寝入ってしまった八助は起きてビックリ。それからは酒もピタッとやめて仕事に精を出すのでした。(マンスリーよしもと 昭和58年12月号より)
 
【雑感】
古典落語「芝浜」を題材にしたお芝居の時代物。ですが出てくるのは町民ばかりで、侍も武士も出てこず、チャンバラもありません。至って長閑な庶民のお話。
新喜劇の看板女優楠本見江子のリサイタルということで、豪華メンバーを出すのかと思いきや、新喜劇の座員と八方・小染の落語家二名だけ。なんだか「あれ?」っていう気がしますし、座長クラスをくり抜き程度に出しても良かったのでは?なんて思います。当時なら木村進、間寛平、室谷信雄らをちょこっと出すだけで客は喜んだでしょうし。
ゲストとして金田たつえ、坂田利夫が駆けつけたり、師匠であるいとし・こいしも特別出演。
 
 
楠本見江子はこの年の末に妊娠が分かり、そのまま退団。
新喜劇ではマドンナクラス以外で初めてポスターやプログラムに大文字で載った初の女優さんで、後に続く藤里美や末成由美の道を開いた人でもあります。
そこから時を経て2003(平成15)年突然に安田密子とコンビを組んでM-1グランプリに出場。そして2009(平成21)年についに新喜劇に復帰しました。ですが時代の流れは早く、かつて活躍していた頃と新喜劇の雰囲気もテンポも違い、ずっと在団している中山美保や末成由美と明らかに差が出てしまい、新しいファンや今のNGKの観客は「誰?この人?」って感じで見てるのが、私等オールドファンは寂しい思いをしましたね。
それから出番はあったものの、徐々に減っていき、今では年に数本出るのみ。
 
「あっちこっち丁稚」でホウキ持って走ったり、「モーレツ!!しごき教室」での活躍、飛竜の生ラーメンのCMまでしてたことを覚えているのは40代以上になってしまいました。