雪組公演 スサノオ/タカラヅカ・グローリー! | 続アメマのおとしもの

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2004年4月2日~5月10日 宝塚大劇場・雪組公演
 
2004年、90周年の春の大劇場は雪組公演で第90期初舞台生のお披露目。90周年のイベントの一環でもある各組二番手が他の組にゲスト出演するのも話題の一つで、今回は宙組の水夏希がゲスト。後に雪組に本当に組替えになるとは思ってもみなかったですね。
 
4月6日15時公演、1階6列目で観劇。
 
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●詩劇「スサノオ-創国の魁-」  脚本・演出/木村信司
 
「古事記」に最初に登場する英雄スサノオの物語を通して、日本はどういう国であるべきかを今一度考え、問いかける音楽劇。
 
もう、木村信司の時点で私的にはアウト。んで、劇場で開演前にプログラムを買って読むとなんと4場しかないし、登場人物がめちゃ少ないし、結構上級生も「民(男)」「民(女)」やし、なんじゃこりゃ??
 
まず壮一帆が月読で狂言回しで登場。「エリザベート」のルキーニみたいな感じ。
朝海ひかるのスサノオはカッコイイし、アオセトナの水夏希も妖しいし、初風緑のアマテラスオオミカミも期待したんやけどなんせ木村信司ですから(笑) 白装束のその他大勢の民が太鼓叩いたり、歌も台詞もなんだか変な宗教みたいでねぇ・・・。
 
音月桂は女役でアメノウズメ。これってストリップの神様やん(笑)
 
木村信司の自己満足の世界に1時間半ほど付き合わされた感がイッパイで、全く楽しめないまま幕となりました。 
追記:プログラムの作者言で木村信司が北朝鮮に拉致された方のことに触れていますが、これって万人の受け取り方があるので、こういうところで触れることは適切ではないのでは?と思いました。
 
 
●グランド・レビュー「タカラヅカ・グローリー!」 原案/小林公平 作・演出/岡田敬二
 
宝塚歌劇90周年の記念レビュー。華やかにスペクタクルに展開される大型レビュー作品。いつもの岡田敬二の自己陶酔ロマンチック・レビューは封印(笑)
 
◆第1章 初舞台生のザ・ロケット
いきなりオープニングで初舞台生のロケットには驚きです。第90期生(愛原実花宇月颯、如月蓮蒼乃夕妃彩星りおん(当時男役)、琴音和葉など)が元気よく踊ります。
 
◆第2章 タカラヅカ・グローリー!-プロローグ-
大階段が登場し、朝海ひかる、初風緑、水夏希、壮一帆、音月桂、舞風りららが宝塚メドレー。こういうのってTCAスペシャルみたいでテンション上がるんですよね。
ですが、公文健(小林公平)作詞の主題歌「タカラヅカ。グローリー!」が全然イケてない。もう「夜明けの序曲」の頃のような発想力が老いて全くナシ。
 
◆第3章 テーマ曲-飛翔のとき-
初風緑、壮一帆、音月桂がコレマタ公文健作詞の寒い主題歌を唄いますが、ココはテンポで誤魔化してました(笑) 岡田敬二も歌詞に苦言を言いたくても、修正したくても言えないんでしょうねぇ・・・。まぁ、その岡田敬二も最近はトンとセンスがおまへんがね(笑)
 
◆第4章 虹を追って・・・
誰もいない劇場で一人踊る朝海ひかるが劇場の妖精(水夏希)たちに励まされて・・・。
なかなかいい場面で曲もショパンの「幻想即興曲」だと思っていたら、なんとオリジナル曲で作曲は甲斐正人。クラシックアレンジなのかパクッたのか?
 
◆第5章 ゴールデン・デイズ
中詰で華やかなんだけど、展開がゆったりすぎてイマイチ。
 
◆間奏曲(1)
ここの水夏希はカッコよかったなぁ!曲も南佳孝の「スタンダード・ナンバー」。
 
◆第6章 血と汗と涙、そして生命
ここはエネルギッシュで躍動感に溢れていましたね。謝珠栄らしい振付でこの作品で一番いい場面なのにTCAの販売DVDではバッサリとカット。アホーーーーーーッ! でも後にBSやスカステで放送されましたけどね。
 
◆第7章 ロマンス
朝海ひかる舞風りらのトップコンビが優雅に踊ります。ここもDVDはカット。
 
◆第8章 90名の大ロケット・ダンス
90周年だから90名のロケット。映像を駆使しての場面だったけど、まだ使いこなせてない感じ。
 
◆間奏曲(2) ザ・ダンディ-ズ
初風緑水夏希の紳士がダンディーを競います。まぁなんてことない場面(笑)
 
◆第9章 清く正しく美しく
名曲「清く正しく美しく」を舞風りらが唄い、そして大階段での黒燕尾のボレロに展開。やっぱり黒燕尾には感動し、未来優希の歌声にシビレます。
 
◆第10章 フィナーレ-グラン・パレード-
白羽ゆりがエトワールで主題歌を唄い始めます。やっぱり好きじゃないわこの主題歌・・・とパレードを見てましたら、最後に朝海ひかるが登場したときに曲が「この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER)」に変わった瞬間に涙がボロッ!やっぱこの曲は名曲だわぁ~♪
 
 
 
全体的にベタな作品でツッコミ処も満載ですが、前物「スサノオ」がヒドイのでレビューは素直に楽しめました(主題歌は除く)。この作品を境に岡田敬二自身のロマンチック・レビューシリーズにも精彩がなくなったように思います。