靴について知っておくべきこと Part1
1) どんな革靴でも履き皺は入る
どんなに高い/良い靴でも皺は入ります。皺が気になるのなら、皺が目立たないスウェード靴を履きましょう。
⇒ “良い靴に皺は入らない”と言いますが嘘です。普通に履き皺は入ります。
ただ、良い皺と悪い皺はあると思います。
"高い靴は細かい皺、安い靴は大きな皺が入る"とも言われますが、これも私にはよく理解できません。
高い靴でも安い靴でも大小の皺は入ります。
私のイメージですが、高い靴には波打つような皺、安い靴には紙をくちゃっとしたような皺が入ります。
波打つような皺 (良い皺)
紙をくちゃっとしたような皺 (悪い皺)
詳細不明
2)シューツリーは使うべし!
シャツにアイロンをかける、顔を洗う、歯を磨く、、、シューツリーはこのくらい当たり前のこと。
⇒ その通り!値段に関わらず使った方が良いです。3,000円位で良いシューツリーは購入できます。
靴の予算が1.5万円でも、1.2万円で靴本体、残りの0.3万円でシューツリーを購入した方が良いです。
(その場合、皮肉ですがシューツリーの方が長持ちします。次の靴に使って下さい)
靴が曲がった方、良く見かけますが、仕事、雑なんだろうなと思ってしまいます。実感値としてそんな人が多いと思います。
シューツリーを使っていない靴の成れの果て
詳細不明
3) その靴、本当にハンドメイド?
ハンドメイドと謳っても、99%は既成靴です。ハンドメイドという言葉は靴屋のマーケティングにすぎません。"一部手作業で設えた" = "ハンドメイド"ではありません。
本来の意味で"ハンドメイド"と呼んでよいのは、Bespokeの靴とVassの靴だけ。
"ハンドメイド"で唯一機械が許される作業はアッパーの革の縫い合わせだけです。
手縫いでウェルトを付けても(Handwelted)、出し縫い(ウェルトとソールの縫い合わせ)が機械であれば、”ハンドメイド”ではありません。
“ハンドメイド”の簡単な見分け方は値段です。目安は20万円(≒$1,500)です。
⇒ 厳密な"Handmade Shoes"がこうだ、というだけです。
“ハンドメイド”だけが良い靴という訳ではないと思います。
ソールを縫い合わせるには、機械の方が良い(九部仕立て)という方もいます。ソールの革は固いので、人の手よりも機械の方がしっかりと縫い合わせられるらしいです。
一方、縫いをきついと修理の際に革に負担がかかるので良くないという意見もあります。
厳密な"Handmade"でなくとも、しっかりとソール部分を足に合うように設えた靴の履き心地は素晴らしいです。それも全て手作業でないと不可能という訳ではないと思います。
"Handmade"には色々意見がありますが、間違いなく高い買い物なので、ご自身でも調べて、お店の方としっかり相談して、自分の価値観に合っているものを購入するのが一番だと思います。
お店の方が雑誌で書かれているようことを言っていたり、ご自身よりも知識が足りなさそうでしたら、他のお店で購入を検討した方が良いかもですね。
4) グッドイヤーはマッケイよりも良い?
個人的にはグッドイヤーが好き、ただどちらが良いかはその人次第。
"ベントレーとフェラーリ、どっちが良い?"というのと同じ。
・しっかり足をサポートする靴が好きならグッドイヤー、柔らかくて動き易い靴が好きならマッケイ
・修理して長く履きたいならグッドイヤー、新しいモデルに買い替えたいならマッケイ
・重厚なデザインが好きならグッドイヤー、軽快なデザインが好きならマッケイ
というだけ。
⇒ その通りだと思います。(Spigola等、グッドイヤーでも軽快な靴もありますが)
ちなみにマッケイ製法でもしっかりメンテナンスしながら履けば最低5年は持つと思います。もちろんアッパーの革に依りますが。
何となく日本のブランドは革質が悪く、イタリア等のブランドは良い革を使っているように思います。
この辺りが一部の日本の靴ブランドを好きになれないところなのですが、どうせ履き捨てるだろうとか、変な皺でも気にしないだろうとか、消費者を見下しているような気がしてしまいます。
5年は履こうとしても、アッパーに1)のような悪い皺が入ると、もう履けなくなってしまいます。
5) 靴を作る職人と修理する職人は違う!
150年程前、靴を作る職人も直す職人は同じ職人でした。今は明確に分業されてます。
ただ、絶対に靴を作る職人(Shoemaker)を、靴を直す職人(Cobbler)と呼び間違えないでください。侮辱(Insult)に値します。
⇒ この辺りは西洋の伝統なので、尊重すべきなのでしょうね。感覚的には理解できます。
ただ、直す職人にももっと敬意があってもいいのかなと思います。侮辱(Insult)は言い過ぎだと思います。
良い物を直して使うという素晴らしい文化の担い手ですので。
6) シューシャインとシューケアは別物
Shoe Shine=Shoe Care、というのは誤解。
Shoe Shineは、長い時間を掛けて革を乾燥させ、クラック/ひび割れを作ります。
ケア用のクリームを適量塗布するのが唯一のケアです。
⇒ 最近、靴磨き(Shoe Shine)、流行ってますね。昔、毎週、クリーナーで汚れを落として、クリームを塗って、ということをしてました。これはやりすぎなんでしょうね。
最近は半年に一度靴の修理屋さんでまとめとケアしてもらってます。これはこれでもっとケアしないと良くないのだとは思います。
ちなみに靴磨きにはCobblerとShoe Shinerとでも考え方に違いはあるようですね。
例えば、路面の靴磨きの方々はたまにリグロイン(脱脂剤)で素早く表面のワックスを落としますが、修理職人は不必要にリグロインは使わないみたいです。
また、靴磨きの方々はロウを体温で溶かすために指でクリームを塗りますが、修理職人はペネトレートブラシを使ったりします。
(あくまで、そういう人がいるというだけで、修理職人でリグロインを使う方もいれば、靴磨きの方々でペネトレートブラシを使う方もいると思います)
Shoe Shinerの真似をしたから直ちに靴がダメになるという訳でもないと思います。
靴に関わる職業によって考え方が異なることを知って、自分の好みで選べばよいと思います。
ちなみに、私は仕事上、Shoe Shinerが好む鏡面磨きでピカピカにすることはありません。ファッション業界でもないので、悪目立ちしてしまいます。
たまに結婚式に呼ばれて、黒のキャップトゥを光らせても良いかなと思う程度です。
7) 靴のサイズも人それぞれ
新品の靴を履いた際、ヒール部分に手の指が入るからといって、サイズを下げる必要はありません。
Bespokeで作った靴でさえ、ヒールに指が入ることはあります。
⇒ その通りだと思います。
私もBespokeの靴を作る際、小指と小指付近の甲が痛くなることがありました。
職人さんからすると、ジャストサイズとのことでしたが、私の場合は小指付近に革が当たるだけで、痛くなってしまうようです。
肌の強さに対しての革の硬さ等々、様々な個々人の要因だと思います。
そのため、小指付近は少し大きくしてもらいました。
足に合う/合わないは人ぞれぞれで、何かのセオリーを当てにすること自体あまり良くないのかも知れません。
ちなみに良い靴はコルクが沈み込んで、靴が大きくなるので小さ目の靴を買った方がよいというのは嘘です。良い靴の場合はですが。
良い靴はサイズ感に影響を与えるほどコルクは沈み込みません。革が多少伸縮して、足の形にアジャストする程度です。
昔、日本製の某有名メーカーの靴を買いましたが、これは履いているうちにサイズ感は大きくなりました。感覚的にはハーフかワンサイズくらい。
これは革質が良くなくて、革が伸びただけです。
8) 履き始めはヒールは固いもの
新しい靴はヒールの芯が硬く、(うまくヒールカップがアジャストせずに)踵が靴から外れてしまうことがあります。
ただ、良い靴は、何回か履けばヒールの芯は少し柔らかくなり、踵の形に合ってきます。
(なので、ヒールが外れるというだけでサイズを下げないでください)
⇒ 7)で靴のサイズ選びにセオリーはあまり当てにできないという内容を書いておきながら、ヒール部分は別です、みたいな内容になってしまいますね。
試し履き等で、踵とヒールが合わなかった経験はないので、意見を書きづらいです。
ただ、足にあまりに合わない靴って、踵以外にも問題はある気はします。
ヒールだけが気になるけど、それ以外は特に問題がなく、気に入ったのであれば、購入してみたらよいのではないかと思います。
ヒールやトゥの"芯"は糊を塗布して固くしてあり、汗等の水分で柔らかくなりつつ、再度固まって足の形にアジャストするそうです。
9) スウェードでも雨には万全ではない
スウェードは雨等の多少環境が悪くても耐えられます。表側の革のように神経を使う必要はありません。
ただし、良いスウェードであれば、です。安いスウェードは傷や擦れには弱いです。
良いスウェードであれば、履いた後ブラッシングしたり、ケトル等で水蒸気を当てて毛羽立ちを抑えれば、長く使えます。
⇒ スウェードは表側の革の靴よりもケアも簡単です。が、ここにあるような安いスウェードの話は経験なしです。
が、そうなんでしょうね。個人的には靴ほど安物買いの銭失いをするものはないように思います。
10) つま先をトントンしてはいけない
つま先をトントンすると確実にソール交換を早めます。
⇒その通り!これ、10個作りたいための項目ですね笑