柘の滝鍾乳洞(つげのたきしょうにゅうどう) | アメコウモリの洞窟(ケイビング)日記

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ケイビングクラブに所属しています。許可を得て入る鍾乳洞(非観光洞)から、観光整備された鍾乳洞まで、様々な洞窟でケイビングをしています。気ままなケイビング日記です。
※全ての掲載写真の無断転用は禁止しております。

2018.3.26
柘の滝鍾乳洞に行ってきました。
まず、最初に、、
洞口は施錠されており、管理者である宮崎県高千穂町教育委員会、または高千穂町コミュニティーセンター(歴史民俗資料館)への申請が必要です。洞口の場所は、秋元地区に向かう道路より洞口までの高距離は75m、徒歩距離で240mの位置にありますが、上記の担当の方に許可を得て、案内をして頂かないと、分からないほどの場所に洞口があり、下手に山に入ると遭難の危険があります。
また私たちケイビングクラブの者でもルートを容易に覚えられず、迷うので、ケイビングクラブに所属していない一般の方は、その地域のケイビング団体など、ケイビング経験のある人とともに行動してください。事故につながります。
 

柘の滝鍾乳洞は、宮崎県高千穂町黒仁田部落の石灰岩(烏帽子岳)崖下に開口する黒仁田鍾乳洞群のひとつです。柘の滝と呼ばれる石灰岩急崖は西方の太子ヶ岩屋に続く同一の石灰岩帯です。1933年(昭和8年)2月28日国定天然記念物に登録されました。柘の滝には柘の滝鍾乳洞のほか、小規模であるが太鼓岩鍾乳洞、乳岩、ホウム洞が開口しています。向山南小学校の南側に位置しており、向山南小学校の校門に天然記念物記念碑が建立されています。

柘の滝鍾乳洞をはじめとする黒仁田鍾乳洞群の岩相は石灰岩、チャート、塩基性火山噴出物からなりこれに砂岩、粘板岩を伴います。洞長は80m、洞口より主洞は南東方向へ延びており、支洞は少なく洞床は砂岩、小石で覆われています。この鍾乳洞が天然記念物指定になった理由の1つとしてあげられたという流礫棚がよく発達しています。また、ベルホールもよく発達しています。また、フローストーンやカーテンなどの二次生成物が発達していますが、施錠管理される前にかなりの盗掘被害を受けており、めぼしい鍾乳石の多く失った負の歴史を持つ鍾乳洞です。


看板後ろの何となく道っぽいところから、獣道を登っていきますアップ

道なき獣道を15分ほど登りますニコニコ

足下は、石灰岩がたくさん落ちていますねー
洞口到着イヒ普段は施錠管理されていますので、正式なルートで許可を取り、入洞しますビックリマーク勝手に入ると罰せられますよ~ひらめき電球


施錠管理されている洞口の向かって右手に、小さな洞口がありますが、こちらは竪穴で、むやみに入るととても危険です、、と、その前に勝手に入るのは違法ですひらめき電球

洞口から下は枯れ川がありました音譜

施錠管理されている入り口は、わざと狭く作ってありましたほっこり

洞口ホールから見た洞口流れ星

洞口ホールの様子ハートこの辺りには、白いフローストーンが見られました音譜

洞床は瓦礫がUMAくん

施錠管理されている洞口の向かって右手にあった竪穴の洞口は、中の洞口ホールでつながっていましたダウンこちらは洞口から竪穴になっていて危険なので、間違ってもこちらから勝手に入らないで下さいねニヤ違法ですよニヤ

白いフローストーンオッドアイ猫

天井にはキクガシラコウモリが猫あたま

カリフラワーみたいですねキラキラ

白いフローストーンおねがい

狭いトンネルを抜けるとカエル

青い石灰岩の洞壁のホールに出ましたイルカ

洞床は泥状馬

天井にはベルホールもぐもぐ

コキクガシラコウモリさんほっこり

洞壁の石灰岩にはメガロドンの化石らしき影が、、グラサン

石灰岩、チャート、塩基性火山噴出物からなりこれに砂岩、粘板岩を伴う洞壁ウインク

洞壁に水が流れて生成されたのか、流れるような鍾乳石ができていますね龍

もっと進むと、この鍾乳洞で一番大きなホールに到着熊あたま春なので、冬眠していたコウモリも起き出していて、鍾乳洞内を何匹も飛んでいましたよガーベラ

支洞🦎

中に入るとやぎ座

小さなホールがねずみ

左奥に隙間があり、水流が増水した際に、もしかしたら水が流れ込むかもしれない場所のようですみずがめ座

そう思うのは、ホールの砂地に元気な川蟹がいたからですかに座

支洞からホールに戻る途中、また支洞がありました晴れこちらはやや人工的に広げられたかもしれない形跡がありました黒猫奥は、華奢な女性ならなんとか通過できるかもしれない狭さで、奥に少し空間が見えましたが、測量図にも記載がなかったので、安全のため進むのはやめました星

主洞へ🕷

天井は低く、洞床は泥と砂に落盤宇宙人あたま

二次生成物の鍾乳石、主に石柱ができていましたセキセイインコ黄

盗掘や落書きが目立つ奥部ショック

石柱の下部が泥状だったためか(泥が水流に流されて)、石柱が浮いた状態になっていますDASH!

石柱が転がっていましたダウン

最奥部イヒ落書きがひどい!!えーんムキーッ

奥はそのまま狭くなって終わっているようですトイプードル

途中、石柱の奥に支洞が見えました牛あたま

一番広いホールとループ状につながっていて、こちらはそのループの方から(反対側から)みた写真虹

支洞入り口からみた景色クマムシくん

中は少し天井が高く、フローストーンの発達が見られましたピンク薔薇

洞壁はこんな感じ猫しっぽ

 

校門にも記念碑があります。 洞が途中で消えてますが、、、笑

 

参考文献:

高千穂町教育委員会による「国指定天然記念物 柘の滝鍾乳洞」の看板より

加藤守「日本列島洞穴ガイド」(昭和56年),コロナ社,pp96-97

 

 

今回、九州の鍾乳洞と比較して、割と早くに国指定天然記念物に指定されたにもかかわらず、盗掘やいたずらにより悲劇の鍾乳洞となってしまった、柘の滝鍾乳洞に実際に入ってみて、とても悲しくなりましたしょんぼり鍵が付けられてからは、そのようなことは無くなってきたのか、たくさんのコウモリさんが安心して越冬できる鍾乳洞になったようですが、天然記念物への一般の方の認識がまだまだ甘いようですねショック今回担当してくださった教育委員会の方も、実際に落書きを見て肩を落としていましたダウン根性だめしとして入るのか、相合い傘などよく目にしますが、「探検して、研究して、守る」をモットーに、大事な自然遺産を壊すようなことはしないで、見て楽しむなら楽しんでもらいたいですねぼけー

ちなみに秋元集落の向山南小学校の校歌には柘の滝が出てきます。そしてなんと学校行事に柘の滝洞窟探が!すごい自然に恵まれた学校教育ですね!

 

※掲載写真はプライバシーのため、ご本人には了解を得て掲載、もしくは了解を得てハート♥️でお顔を隠しております。

 

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