てんしっちのたまごっち 

 1997年8月発売  希望小売価格2,079円(税込)

 カラー : パールホワイト、パールピンク、パールブルー(全3種)

 

※ 同年12月に映画『HANA-BI』公開を記念して発売された「たけしのてんしっちのたまごっち」という限定版も存在する。

 また、翌年2月には「Tamagotchi Angel」として海外でも発売された。海外版はイエローを含めた4カラー展開となっており、ボディのデザインが少し異なる他、一部キャラクターなどが変更されている。

 2014年には「てんしっちSP」としてスマートフォン向けのアプリゲーム版がリリースされたが現在はすでに配信終了となっている。

 

 攻略本:『てんしっちのたまごっち大百科』(株式会社バンダイ監修)

 

 

〈 ゲーム内容 〉

 先に発売された「たまごっち」や「新種発見!!たまごっち」同様のキャラクター育成ゲーム。てんしっちをお世話し、最終形態まで変身させ、天使の都へ帰すことができればゲームクリア。お世話に失敗しデビルっちになってしまうとゲームオーバー。

 今作には音センサーが搭載されており、本体右斜め下辺りを指などでたたくと音に反応する仕様になっている。ゲーム内でお世話を邪魔するコウモリを追い払ったり、おでかけ中のてんしっちを呼び戻したりするのに使う。

 

 

〈 ストーリー 〉

 たまごっち星の空に浮かぶ雲の上にはてんしっちの都がある。そこではてんしっちたちがジョウロで雨を降らせたりくまさんかき氷器で雪を降らせたりおいしいパイを焼いたりしてしあわせに暮らしているという。実は、てんしっちは死んだたまごっちの生まれ変わりなのだ。たまごっちたちは死ぬと天へと昇り、てんしっちの都へやってくる。そうしててんしっちの仲間入りをするのだ。

 そんなてんしっちたちが、かつてお世話をしてくれた人間たちに「ありがとう」を伝えるために再び地球へやってきたのだという。しかし長旅でパワーを使い切ってしまい、みんなに会いにいくこともできなくなってしまったらしい。困っているてんしっちたちのためにばんぞー博士は「てんしっちHOUSE」を開発した。それがてんしっちのたまごっちだ。

 「てんしっちHOUSE」でお世話をして育て上げ、てんしパワーを高めたてんしっちはてんしっちの都で習った「おいのり」をしてくれる。言葉でお礼が言えないてんしっちたちは、「おいのり」で人間をしあわせな気持ちにさせてくれるのだという。そんなてんしっちたちの修業を邪魔してデビル界へと引き込もうとするデビルっちの手下、ガイコっちやコウモリが現れることがある。誘惑に負けたてんしっちは堕天してデビルっちになってしまうのでご用心。

 てんしっちは不死身なので死ぬことはないが、あまり長く人間界にいることはできない。無事修業を終えたてんしっちは再びてんしっちの都へ帰っていく。

 

 

〈 プレイしてみた感想 〉

 前作で育てたたまごっちたちの死後の物語というのが面白い。前作の終わりの画面であるおばけとお墓の画面から始まるのもストーリー性があって気に入っている。

 本体のシェルもパールカラーに天使の羽をあしらった可愛らしいデザインとなっており気分が上がる。使い込むとどうしても両サイドにある羽の塗装が剥げやすいのが残念だが。

 

 アダルトキャラクターは5種類に減ったものの、隠れキャラクターが3種類に増えて少し賑やかになった。さらに謎のスーパー隠れキャラが存在したり、ゲームオーバー時のキャラクターが用意されていたりとかなり豪華な内容になっている。「おいのり」や「おでかけ」といった新要素によりキャラクターの姿が色々と楽しめるのも良い。音センサーも新鮮。

 また前作では病死でも寿命死でも同様におばけとお墓の画面に行き着くのだが、今作では堕天エンドと昇天エンドで絵が分けられているのが良かった。ゲームクリアかゲームオーバーかが分かりやすい。

 

 ゲームの難易度は低め。各キャラクターは比較的攻略しやすく、さほど苦労せずに目当てのキャラクターに変身させることができる。しかも成長速度が前作と比べて早く、3日目くらいでアダルトキャラクターになり、4~6日目くらいには隠れキャラクターになるので育成も楽だ。またよほど放置しなければドクロマークが付くことは少なく、思いがけずゲームオーバーになることはほぼないので安心してプレイできる。

 

 ブーム真っ只中に発売されただけあって出荷数量も多いと思われ、中古の出回りも多い。日本発売の通常版であれば希少性は低くプレミアも付いていないので2024年3月現在もネットオークションやフリマサイトですぐに見つかり、未使用品でも3千円前後など比較的安価に手に入る。その割に内容もボリューミーで結構遊べるのでおすすめだ。