ゆめのおはなし -3ページ目

ゆめのおはなし

ゆるゆるな不定期更新ブログです。

気が付くと銃弾や爆風が飛び交う中、私は必死に走っていた。どこに向かっているのかも、ここがどこなのかもわからない。ここがどこかの戦場だというのだけは、なんとなく分かった。

兵士が私を後ろから狙って銃を構えている。兵士は、照準を走る私に合わせて引き金に指をかけた。

何故か私はそれに気付き、振り向いて銃で撃つ。銃弾は、見事に兵士に命中して兵士が倒れた。一体なんなんだ。私にこんな特技があったのか……

一人だと思っていた私の横に一緒に逃げている仲間らしき人がいる。しかし、誰かは分からない。

私は先頭にたってどこかに向かって必死で逃げている。逃げている間も前後左右から兵士は私を狙って銃を撃ってくる。

不思議なことに兵士の撃った弾は私にかすりもしないのに、私の撃った弾は次々と兵士を倒していく。

そのうち、私は手榴弾を使い、敵を倒しながらどんどん進んでいく。すると、目の前に待ち伏せしていた兵士が私に向かってロケットランチャーを発射してきた。

 放たれた弾は白煙をあげてこちらに向かってくる。今度ばかりは駄目かもしれない。そう思った瞬間、体が勝手に動いて足で弾を蹴り飛ばすと、弾は反転して兵士に向かって飛んで行き兵士を吹き飛ばした。

 本当にどうなっているんだ。私は、どうしてしまったんだ。

しばらく走っていると風景が変わり建物の中に入った。近未来的な建物の中は、さまざまなセンサーや監視カメラ、監視ロボットによって行く手を阻まれなかなか前に進めない。

一緒に逃げていたのは妻のサヤカと娘のサクラそして仲間の男性が二人だった。

しばらく進むと、エレベーターのように中央から左右に開きそうな重厚な扉が見えた。

手前の壁についている丸いボタンを押すと扉が開いた。扉の先は、暗くなっていて多数の小型監視用ロボットが赤く目を光らしているのが見える。

手を離すと扉は閉まり、どうやらボタンを押している間だけ扉が開く仕組みになっているようだ。

監視用ロボットを引き付ける為、まず私が先陣をきって行く事になった。

私は妻と娘を仲間に託すと、仲間にボタンを押してもらい扉が開くと同時に走りだした。監視用ロボットは赤いレーザーのようなものを発射しながら思惑どおり、私を追ってくる。

薄暗い中、いりくんだ道をひたすら走るとドアノブのある普通の扉があった。

追われている私は急いで扉を開けると、中に飛び込んだ。

中には、かしこまった服を着た親子がいっぱいいる待合室のような場所だった。

私は親子を横目にさらに進み、その先にあった扉を開けて駆け込むように入った。

そこは窓を背に縦長の机にスーツを着た人が横並びに複数座っており、まるで面接会場のようだった。

私は我に返り、頭を深々と下げた。

「すいません。失礼しました。」

私は、そう言って部屋を出て慌てて扉を閉めた。

待合室をゆっくり歩いていると、黒いスーツを着たサヤカが歩いてきた。

「サクラは?」

私が、慌てて聞くと後から扉の外に監視ロボットの中を平気で歩くサクラいた。サクラも黒い落ち着いた服を着ている。

部屋に入り周りの子供が側転したり、はしゃいだりしている中をサクラは音も無くスーと近づいてくる。

サヤカもサクラも無機質で冷たい感じがした。まるでここに存在していないかのように。違和感を覚えて二人に話しかけようとしたところで、見慣れた天上が目に映った。

私は上半身をガバッと勢い良く起こした。周りを見渡すと机の上にサヤカとサクラの写真がみえた。

見慣れた自分の部屋だった。

「夢か……」

私は、立ち上がり机の上のサヤカとサクラの写真を手に取った。

「もう、あれから一年も経つのか……」

一年前、私は大きなビルの前で妻と娘と待ち合わせをしていた。

会社に行く為に先に出た私といっしょに、娘の受験の面接に向かう為だ。しかし、妻と娘は来なかった。待ち合わせ場所に向かう途中交通事故に巻き込まれたからだ。

二人とも即死だった――

あらから一年たった今も、どんな夢を見ても最後は必ずサヤカとサクラが出てくる。

写真を机の上に戻すと、私はこぼれる涙を止めることが出来なかった。