民間大水滸「金鎗将、陽谷県にて湯隆を救う」その1 | 水滸伝ざんまい

水滸伝ざんまい

中国四大名著の水滸伝について語るブログです。
原典メインのため、北方および幻想はありません。
悪しからずご了承ください。

 

金鎗将徐寧は、伯母の言いつけにしたがい、

従弟の湯隆の行方をたずねて、山東へ向かった。

 

ある日、徐寧は陽谷県の県城に到着した。

街の大通りを見わたすと、両側の建物はみな整然と立ち並び、

家と家のあいだはすき間もなく密集し、

大勢の人や車が行きかい、大変なにぎわいを見せていた。

 

その中に、美しい絵が描かれた柱に立派な彫刻がほどこされた梁、

つややかな瓦に高い庇と、ひときわ壮観な構えの建物があった。

これこそが獅子楼だった。

 

 

従弟を捜す旅に出た徐寧が、まず到着したのは陽谷県。

武松が兄と再会した、あの陽「穀」県とは字が違いますが、

街の繁華街にある「獅子楼」

(駒田訳では「獅子橋の袂の大きな料理屋」とあり、

名前は不明ですが)とか、共通点が多いし、

同じ場所と考えてよいかと。