![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/04/amedocholliday/d4/ea/j/o0736100814423186483.jpg?caw=800)
親方夫婦には、雷横(らいおう)という名のひとり息子がいた。
雷横は、生まれつき筋骨たくましく怪力の持ち主だった。
朱仝は雷横より二歳年上であり、また知識も豊富で見聞も広かったため、
雷横は、彼を「兄貴」と呼んで尊敬し、何につけても朱仝の言うことには従った。
父親である親方は、朱仝が人情にあつく道理をわきまえ、さらに勤勉な性格であることを知ると、
いずれは自分の息子の片腕となる人物だと見込んだ。
そこで、彼らを自分のそばに呼び寄せると、
町の人々に対し、ふたりを義兄弟として正式に披露した。
それからは、朱仝と雷横一家はまるで本当の家族のように仲よく暮らし、
商売は繁盛し生活は楽になり、つつましく平凡な日々を送った。
身寄りもなく、ひとりぼっちで放浪していた朱仝を、
実の息子のように受け入れてくれた雷横一家。
原典でも、雷横の母親に細かい気配りをしたり、
自分が身代わりになって雷横を逃亡させたのも、
ここまで深い恩義があったからだとすれば、大いに納得できます。
幸せな生活を送っている朱仝と雷横一家はどうなっていくのか。
続きは、また次回で。