大人になると誰も 心のなかに帰りたい風景を抱えて生きているんじゃないだろうか。
ふとした瞬間にそれは 視界の裏側に突然ひろがり 胸を甘く締めつけたりする。故郷だったり 暮らした場所だったり 旅で訪れた町だったり。


心に抱えている場所はいつも美しい。
本当のその場所は ごみだって落ちているし壁が崩れていたり 不機嫌な老人が舌打ちをしていたりもちろんするのだけど。
そんなことも知ったうえで それでも尊く美しい。

幸せも悲しみもぜんぶ飲みこんで 優しく心のなかに横たわっている。
愛している町が わたしのなかにもある。
撮影地:ソウル特別市銅雀区黒石洞