愛宝学園かがみの特殊少年更生施設 | 真っ直ぐ行かずジグザグと

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コメントにはできるだけ返していきます。

おはようございます。
ZigZagです。

本日はこちらの施設をご紹介します。


愛宝学園
かがみの特殊少年更生施設


ここが何の施設かと言いますと、犯罪を犯してしまっ少年らを収監している「少年院」です。

……で、何でわざわざそんな施設を紹介するかと言いますと
こちらの施設が素晴らしいところだからです。

というのも、一般的に少年院を卒院した子らの後の再犯率は約22%といわれていまが、本施設を卒院した子らの再犯率はなんと0%
皆がしっかり更生してから卒院しているってことがよく分かりますね。

更にはこの院の特色は「芸術(アート)」を混ぜた更生プログラムを行っているということです。

人間関係で摩擦や軋轢が起こる人の特徴として『自己表現が苦手』という共通点が多く見られます。
この院はそこに着目し、芸術作品の制作を通じて感情の表現の仕方や、自身の心との向き合い方を学んでいくことで、社会復帰や再犯防止を丁寧かつ円滑に行っているのです。

更生プログラムに芸術を充てるとは、なかなかの着眼点。
しかもきちんと経歴を積んだ“表現指導”の職員も多数おり、っして素人のガバガバ教育ではないのも高評価ポイントですね。

未来の日本を担うための有望な若人を、正しい道へと導くために尽力しくれている素晴らしい施設があるとは……。

このことを、もっと多くの方々に知ってほしいですね!

それでは本日はこの辺で!おしまい!







































ホームページの端々にこびりつく違和感





SNSユーザーが上げた謎の動画





検索しないと現れないページ






PR動画に紛れ込む不気味な写真






隠されたメッセージ






この施設
何かおかしい





……というわけで、本編です。
本記事の正式なタイトルは「ゲーム紹介:かがみの特殊少年更生施設」ってな具合でございます。

概要


かがみの特殊少年更生施設とは、クリエイター集団『第四境界』が手掛ける無料体験型モキュメンタリー(ARG=代替現実ゲームとも)
今年の4月1日に公開。

プレイヤーは実際に存在するこのWebサイトを訪れ、気になる情報やワードをサイト上の検索ツールにて調べていき、真相へと到達することが目的となっている。

You Tubeにて本ゲームのチュートリアル的な動画が配信されており、途中までの進め方が分かるようになっている。
また、ツイッター(現:X)にて「気づいて」というユーザーによる動画も配信されており、ヒントにもなっている。


特徴


  進め方


実際にWeb上に存在するホームページにアクセスし、そこにアップされている様々な写真や情報を調べていく。
気になるワードがあれば右上の検索ツールに入力し、ヒットした場合はそこに記載された情報を閲覧し、新たに発見したワードをまた検索する……というのが本ゲームの進め方となっている。

該当しないワードの場合はヒットせず、該当していても既に公開されている情報しか表示されないこともある。
なお、検索可能なのは同時に2つの単語までであり、中途半端な単語入力や単語1つのみでは検索失敗になることもある。

また、新たな記事の出現が、必ず次へのヒントに繋がるわけではない点には注意。
尚かつ、時には本物の検索ツールを用いる必要があることも。

You Tubeに動画が公開されており、序盤の進め方を把握出来る。
チュートリアルのようなものだが、序盤のネタバレにもなっているので、最初から自分の力で攻略したい方は視聴は避けた方が良い。


  Lv(レベル)


各記事にはLvが設定されており、その情報の秘匿レベルを表している。
既に公開されている記事はLv0であり、最高は10。



感想



  良かった点


 ◾無料でハイレベルなARGが楽しめる

最初から最後まで無料のゲームであるにも関わらず、その内容は濃密かつハイクオリティ。

現実味を増幅させる職員名簿、秘密を散りばめた院生作品、不穏な空気を呼び込むSNSの動画等、無料とは思えないほどの力が込められており、調査モノのミステリーが好きな人には堪らない内容になっている。

  • 検索システムを利用した謎解きも秀逸。後述する通り融通の効かなさや難易度激増の要因にはなってしまっているものの、自身が違和感を覚えた部分をサクッと解答出来るシステムは探究心を刺激してくれる。
  • この作品の為に用意されたページは全部で127であり、しかも本編にはそこまで関係ないものも含まれている力の入れよう。そのため本編クリア後も、まだ発見していないページの調査という楽しみもある。


 ◾雰囲気と違和感のバランス

ホームページを見て分かる通り、施設紹介は至って普通の様相をしているが、様々なページを細かく見ていくと、その不穏さを垣間見ることが出来る。そのあからさま過ぎず、かといって分かりにく過ぎないバランスが程よく出来ており、謎好きや考察好きには堪らない内容となっている。

  • 例えば施設の院生作品では、各々の作品が羅列されているが、よく見ると1つだけ番号が飛ばされていたり、絵画の中に謎のメッセージが入っていたりと、時間を忘れて見入ってしまうような芸の細かさもある。



  賛否点


 ◾ストーリーの捻りに乏しい
ミステリー作品ではあるものの、ストーリー自体は至ってシンプルであり、結末に至った際の驚きは少ない。
  • この手のミステリーに慣れた人ならば、序盤の段階で真相の予想が出来てしまえる。欲を言えばもう少し捻りがほしかった。
  • ただし、本作はあくまで謎を解いたり調査をすることに重きを置いている作品である。更には本来ならば数千円単位で費用が必要になるような出来にも関わらず、最後まで無料でプレイ出来ることを加味すれば、ストーリーに関しては許容範囲内だろう。

  残念な点


 ◾検索ワードが特定し辛い
序盤はしっかり既出記事を読んでいけば検索ワードの特定は容易だが、話が進む毎に検索に必要なワードが難解になっていき、進め辛さを強く感じてしまう。
  • 特に中盤に差し掛かるとその傾向が顕著。本物のWebで検索しないと分からないような言葉を求められるが、一部のワードはWeb上で検索しても見つけ辛い上に、その言葉を検索する必要性を感じるようなヒントもないので、一層見つけ辛さに拍車を掛けている。
  • また、ページによってはタイトルが検索ワードと一致していてもヒットせず、2単語に分けなくては表示しないと、些か融通の効かない悩ましい仕様にもなっている。
  • もちろん、検索ワードが安易だと簡単過ぎて歯応えがなくなってしまうので、この仕様は仕方ないといえばそうである。が、終盤は検索ワードがやや明確になっており一転して進め易くなっているため、余計に一部の難解さが際立ってしまう。


まとめ 


「無料でいいの?」と思うぐらいのクオリティで提供されている本作。
検索機能の融通の効かなさや、ヒットさせるための検索用語の難解さ等、本作の主軸たる検索機能にはやや粗が見受けられ、難易度もなかなか高めですが、それでも「最後までプレイしたい」「真相に到達したい」と突き動かされるほど、探究心や好奇心を刺激されるゲームでした。

今ではもう攻略サイトが出回っているので、もし詰んでしまってもそこら辺を活用すれば最後までプレイ可能かと思います。

素晴らしい更生施設に隠された闇。
気になる方はぜひプレイしてみてください。

それでは本日はこのへんで。
おしまい。