寝たきり、余命年内の父。


末期の肺がんです。



日に日に衰えが顕著になるとともに、

咳き込みが強まってきました。



本人はもちろんのこと、

苦しそうな様子を見ている家族もつらいのが、咳です。



12日前。

訪問診療をしてくれた医師が、

麻薬製剤を処方してくれました。


もちろん、我々家族の同意を得てのことです。



フェンタニルという貼り薬を一日一枚。



皮膚からじわじわと効いて、

痛み、苦しみを和らげてくれるようです。


ネットで調べてみると、

モルヒネの約100倍強い 合成麻薬製鎮痛剤」

だそうです。


主に、がんの鎮痛や手術時の麻酔にも使われるとか。



貼り付ける際は、手袋の着用と手洗いの指示。

その強さを象徴しています。


呼吸抑制機能があり、

突然、呼吸が止まる危険性も伝えられました。



麻薬ですから、その作用は何となくわかります。


痛みや苦しみを和らげる代わりに、

意識が朦朧としてきたり、

昏睡状態に陥ったりすることもあるのだろうな。



それでも…



「延命措置はして欲しくない」

と言っていた父。


苦しむのなら、早く“楽”にしてあげたい。



“楽”になることって…?



人にとって、

究極の“楽”は、亡くなること。



“楽”にしてあげたい思いと、


どんな姿でもいいから、

“生きて”いて欲しい思い。



高齢であり、

治る見込みのない病気ですから、

まだ、あきらめはつきます。




それでもやっぱり…



間接的であっても、

家族を“死”に導くスイッチを押すのは、

あまりに辛いことですね。



複雑な思いを抱きながら、

今日も、がんばって生きている父を

ただ、ただ、見守っています。