今日は平日。昼下がりのバスです。


市内中心部から、隣町の田舎のT駅行きでした。




途中のバス停から、70〜80代くらいのご婦人が

乗って来られました。


この方、この路線をよく利用されています。




普段、すいている夜の最終便に乗られることが多く、

最近は、運転手(私)に挨拶をして、

降りて行ってくれます。



「あー(あなたでしたか)、いつもありがとう。」


「いいえ、こちらこそ、毎度ありがとうございます。



こんな感じです。

私の顔も覚えていただいたようです。




この方、少し足を引き摺っていて、

バスの乗り降りが大変そうなので、


降車の際、

車道から一段高くなっている歩道に、

できるだけバスを寄せて停めるようにしていました。



すると、


「まぁ、降りやすい。お上手ですね。」


と、いつも運転を褒めながら、降りてくれます。



滅多に褒められることのない運転を褒めてもらい、

こちらも、気分が悪いわけがありません。



そんなわけで、


顔見知り?


になったわけです。





話を戻します。


この日、終点のT駅で降りられたご婦人は、

駅の改札へと向かって行かれました。


私は、折り返し運転になるので、

バスを後退させながら、

バス停に横付けしようとしました。



おや?



バックモニターに、手提げバッグが落ちているのが映りました。

駅前のアスファルトの上です。



あ、あのご婦人の落とし物に違いない…


バスを停めて、バッグを拾いに行きました。




さて、どうしたものか🧐



厳密にはバス内の遺留品ではないけれど、

落とし物として営業所に持って帰るか?


しかし、バッグの中身をのぞかせてもらうと、

貴重品は入っていない様子。



きっと、連絡して来ないかもしれないな。


連絡がなければ、やがて処分されてしまいます。




あの方は、またこの路線に乗るはずだから、

その時まで預かるか?


それも、いつになるかわからないし、

下手すれば横領罪です。




仕方ない。


まだ駅にいるかもしれないから、

追いかけよう!



T駅は、最近、

無人駅になりました。


改札を抜けて、ホームを見渡しましたが、

ご婦人の姿は見えません。



おかしいな。

すぐに電車が来た様子もなかったけどなぁ…



高架になっている連絡通路を駆け上がり、

向かい側のホームまで行ってみました。


ご婦人は、離れたホームのベンチに座っていました。



「これ、お客さんのではありませんか?」


「あらぁー。わざわざ届けてくれたの!すみません!」


バッグは、無事にご婦人の手元に届いたのでした。




お客さんもいろいろです。


挨拶をしてくれない人も多いし、

運転手の顔など見ずに、ツンとして降りる人もあります。


正直、気に入らないお客さんも、多々あります。



もし、あのご婦人でなかったら…



私は追いかけなかったかもしれないし、

バッグを拾いさえしなかったかもしれません。



あのご婦人が、運転を褒めてくれたから、

運転手に挨拶をしてくれていたから、

今回のような結果になったのかもしれません。


声をかける勇気。


人と人とのコミュニケーション。



大切にしたいものだと思いました。





と、これでブログにアップしようと思っていたら、

同日の最終便に、ご婦人が乗って来られました。



「あら、先程はありがとうございました。

営業所まで取りに行かなきゃならないところでした。

わざわざ届けてもらって助かりました。」



ご婦人は、買い物袋をガサガサと探ると、

栄養ドリンクを2本、くださいました。




このバッグくらいでは、

営業所まで取りには来ないだろうと

勝手に思っていた自分に苦笑😅



いただいたドリンク剤は、

気が落ちた時に、思い出して飲みたいと思います。