好きなものは、いつ食べる?」


小さい頃

誰かに聞かれた覚えがある。



私は

「取っておいて、最後に食べる。」

と、答えた。



誰かは

「自分は、先に食べる。」

と、言った。

 


その理由は

(取っておいて、結局食べられなかったら嫌だから。)

というものだった。




時間切れになってしまう


誰かに食べられてしまう


食事中に大地震が起きてしまう




確かにそれもあるかもしれないが

そんなことは滅多にない。



自分でキープしておけば

最後の楽しみにしておける。


そう思っていた。





「楽しみを先に取っておく」

という考えも悪くない。



楽しみが先にあることは

幸せを感じることができるから。



休みの日を楽しみに

仕事をがんばれる。



今夜の好きなテレビ番組を楽しみに

一日わくわくして過ごせる。



食べものも

同じだろう。





さて…

今の私は、どうだろう。




習慣はなかなか変わらないもので

やっぱり最後に回す方が多いが



今を大切に!と考えて

好きなものは

先に食べることも増えてきた。





還暦を過ぎ

残りの人生を考えるようになった。



余命宣告を受けながら

一日一日を大切に生きている人もいる。



重い病気はなくとも

確実にバッテリーの残量は減っていく。



命はあっても

実際、私の歯は減ってしまって

明らかに食べにくくなっている。


好きなお酒も

それほど飲み過ぎてもいないのに

次の日に響くようになった。



今に

好きなものが

食べられなくなるかもしれない。



そうなると

歳とともに

「好きなものは、先に食べる」

という考えの方が

いい気がしてくる。




「いつでも 食べれる」


「いつでも できる」


「いつかは、きっと……」



そんな


若い頃は無意識にあった


人生の “余裕” 

がなくなってくる。



(もう、幸せを後回しにする

ことはできない…。)



生き方に焦りが生じ

“生き急ぐ”

状態に陥ってくる。



不安に急かされながら

余裕なく味わう美味しい料理は

時に味気なく感じられる。



せっかくの美味しい料理。


せっかくの好きなもの。


今を大切に生きるためにも

じっくりと味わいたいもの。



せめて

食べている間は

幸せを感じていよう。



口数の少ない自分にとって

苦手なところではあるが



「美味しい!」


「うれしい!」


「幸せだなぁ!」



“ 幸せことば ”

をあえて口にしてみよう。



少しは

幸せの暗示が

かけられるかもしれない。



そして


食べたいもの

好きなもの

美味しいものは



食べられるうちに


味わえるうちに


後回しにせず




食べようと思う!