先日、国土交通省からの通達があり、車内名札が廃止されるのだそうです。
我が社のバスの場合、前扉の上に貼ってある「乗務員氏名 ○○○○」という奴です。
朝の点呼時に、もう掲示する必要がなくなったことが伝えられました。
「法令で決まってるから、必ず車内名札はつけるように!」
と、研修中には、先輩運転士から口を酸っぱくして言われ続けていたのに…。
そういう私は、研修中から、これをよく忘れました。バスを降りる時(乗務終了時)に、つい外し忘れてしまうのです。
まだ、自分のバス(先輩方は、大方自分がいつも使うバスが決まっていました)がない時ですから、毎日違うバスに乗るので、車内名札は毎回必ず外す必要がありました。
ある朝、
(しまった!昨日のバスにつけっぱなしだ〜。)と気付いた時には、既に昨日のバスは出発した後でした。
たまたま、2枚の名札をもらっていたので事なきを得たのですが、つけっぱなしのバスを探しまくり、3日後に車庫に駐車しているところを発見して、掲示されたままの自分の名札を、無事に取り戻しました。
(しかし、そのバスを使っていた先輩は、3日間、私の名札で運転していたのでしょうか…? 笑)
一度ならず二度も失敗した私は、車内名札を自分で作ることにしました。
会社から与えられたのはプラスチック製ですが、ボール紙で自作すれば、見た目は同じ。
結局、パソコンの得意な息子が、サイズもフォントも同じような名札を4枚ほど作ってくれました。
(よし、これで忘れても大丈夫.ᐟ)
そんな経緯のある車内名札なので、廃止されるのは、ちょっと残念な気がしたわけです。
廃止の理由は、お客さんからの過度のクレームや、ネット上に名前をさらす、いわゆるカスハラを防ぐためだとか。
ちょっと前までは、宅配トラックの後ろにも「○○が運転しています」みたいな名札を見た覚えがあるし、スーパーの店員さんも名札を着けていたけど、これらも、最近は見ないもんなぁ。
過剰なサービス合戦を繰り広げる日本社会の中で、「お客様は神様だ」と筋違いの勘違いをして、相手をやり込めることに快感を覚える輩が増えているのでしょう。
ドラマ•半沢直樹の「わびろ、わびろー!」「土下座しろー!」など、相手をやり込めることに、やり過ぎとは思いながらも、なぜか快感を覚えてしまうところは、自分も否定できません。溜飲を下げるって奴ですかね。
学校では、相手が嫌だと思ったら、それは「いじめ」だと定義されるようになりました(これには、異論あり!ですが)。
子供も、大人も一緒です。
どんな時も、相手の気持ちを考えること、思いやりを持つことが大切なのだと思います。
相手を尊重し、お互いを思いやる社会になったらいいなと思います。