普段、健康的な生活を過ごしていると、利用者の気持ちや態度に寄り添えないこともあります。例えば風邪で高熱を出している時に声を掛けられて、元気よく返事などできるでしょうか。
「うん」とか「いいえ」とか、はたまた手を振るのがやっとかもしれません。もしも、不機嫌な反応だったとしても、体調が良くなければそれは自然なことなのです。
まして、利用者によっては男性介護士を嫌うことも珍しくありません。なぜなら、羞恥心やプライドが利用者にもあり、オムツ交換などで気まずさを感じてしまうことがあるからです。
利用者はとてもナーバスな環境の中で生活しているので、頭で分かっていても介護者に冷たく当たってしまうことも仕方ありません。そこには、小さな積み重ねから築き上げた信頼関係が大きく関係します。
人は困難に遭遇した時、とても不安な気持ちになります。そして、時には笑顔の人を見て妬ましく感じることもあるでしょう。
なぜ、自分だけが困難に陥っているのかと、自己嫌悪になっているかもしれません。優しい声かけすら逆効果で、そばに来て欲しくないこともあります。
心を通わせるばかりが介護ではありません。あえて事務的に接することで、利用者の気持ちを冷静にさせることが大切なときもあります。
介護の世界では、常識が優先されるのではなく、利用者の気持ちを尊重した行動や振る舞いが求められます。医学や医療との違いともいえるでしょう。