長寿ドラマ・アニメの初期は作風が全然違う説 | VBCテレビブログ放送

長寿ドラマ・アニメの初期は作風が全然違う説

長らく放送が続くドラマやアニメの放送開始初期は、後の作風と全く違う雰囲気であるケースが多いと思います。

まだ、出演者や制作スタッフが番組の雰囲気に馴染み切っていないからですが、長く続く番組であればある程、後々のシリーズの作風とは全く違う雰囲気に驚かされるものです。

「サザエさん」(フジテレビ系)はその最たる例で、シリーズ初期は原作の絵柄をそのままアニメ化していたので今現在放送されている作風とは全く違います。キャラクターデザインをはじめ制作スタッフも様変わりしましたしね。キャストもかなり変わりました。同じアニメ番組だと「ドラえもん」(テレビ朝日系)も同様でしょう。

俳優が顔出しして実際に演じるドラマだと、更に特異な印象を受けます。

『人情派刑事ドラマ』として長きに渡り人気を博し続けた「はぐれ刑事純情派」(テレビ朝日系/'88~'09年)は第1シリーズだと、主演の藤田まことさんが演じられた安浦刑事が番組タイトル通りの"はぐれ"っぷりで、犯人と格闘するシーンがあったり、シナリオも後の『一般庶民が些細なことから事件に巻き込まれる』というよりも、ヤクザ同士の抗争を描いたり、北朝鮮による拉致事件を取り扱ったりといった、後の番組の作風からは想像も出来ない位の硬派なシナリオが目につきました。

いわゆる"'80年代当時の刑事ドラマ"らしい、ハードボイルドな作風でした。川辺課長役の島田順司さんは、シリーズを重ねる毎に眼鏡をわざとズリおろしてはめていたという"役作り"を行い"三枚目風"なキャラクターとなっていきましたが、シリーズ初期はカッチリと眼鏡をはめておりかなりシリアスかつ硬派なキャラクターでした。

それから徐々に『人情派刑事』的なユルい作風へと変化していったワケですが、当局はシリーズ初期のハードボイルド路線の方が好きでした。

「太陽にほえろ!」(日本テレビ系/'72~'87年)で"ボス"役だった石原裕次郎さんも、「Gメン'75」(TBS系/'75~'82年)の"ボス"役だった丹波哲郎さんも、番組開始初期では積極的に外に出ていたんですよね・・・。


長寿ドラマ・アニメをより深く楽しむべく、シリーズ初期と後期との作風を見比べてみるのも面白いと思います。






「はじめ人間ギャートルズ」じゃありません!「サザエさん」です・・・初期の。番組開始当初は『ギャグアニメ』として立ち上げたという。/(C)長谷川町子美術館