時空の旅人 | VBCテレビブログ放送

時空の旅人

'86年12月に劇場公開された同名アニメ映画(東宝系)のタイトルと設定"だけ"を活かした、全く別物のアドベンチャーゲーム(自称)を特集!任天堂ファミリーコンピュータ(ファミコン)ROMカートリッジソフトとして、コトブキシステム(ケムコ)から'86年12月26日に4,900円(消費税別)で発売されました。

劇場版では"敵"だったクタジマ・トシトを操り、タイムマシンに乗って歴史上の実在した人物と『はい/いいえ』の二択で会話をしまくっていき、21世紀を目指す・・・という展開。選択肢によってエンディングが複数変わる"マルチエンディング"制を取り入れておりました。

元ネタの劇場版では歴史の改変を狙い、織田信長に天下を取らせるために本能寺の変の阻止を目論んだクタジマ・トシトでしたが、ゲームではそういった部分は完全に吹き飛ばされました・・・。

例えば・・・

とうじょうひでき『お前(プレイヤー)は犬が好きか?』(ここで『いいえ』を選ぶ)

とうじょうひでき『では、お前(プレイヤー)は犬が襲ってきたら殺すのか?』(ここで『はい』を選ぶ)

とうじょうひでき『お前は何て残酷なんだ!死ね!』(ゲームオーバー)

こんな具合で、些細な事で速攻でゲームオーバーになりやすいゲームでした。

先の大東亞戦争では"A級戦犯"で処刑された東條英機から『残酷』呼ばわりされるのも不愉快ですが、"命乞いをする織田信長"、"徳川家康と石田三成が、雑煮の「みそ」と「すまし」どちらが美味いかというどうでもいいことを言い合う"、"借金を返済するため、新撰組局長の近藤勇が毎日池田屋で皿洗いをする"等、史実と全く違う歴史上の人物のオンパレードには、歴史を愚弄しているとしか思えません!

また、タイムマシンから発せられる影状の"コイ"とクタジマ・トシトが上手く重ならないと、これまた歴史上に取り残されてしまい速攻でゲームオーバーに。で、この"コイ"とキャラクターを重ねるのが一苦労で、ちょっとでもズレていたりはみ出したりすると、ダメだという。

また、タイムマシンが"ガス欠"しても、ゲームオーバーになってしまいます。

原作の重厚な世界観のカケラも無い、『歴史上の人物とYES/NO会話を楽しもう!』的な完全におちゃらけた脱線ゲーと化してしまいました。まず、パッケージは劇場版同様の絵柄も、パッケージにデカデカと描かれている原作の主人公であった早坂哲子はゲーム本編には一切登場せず・・・サギじゃねーか!喝だ喝!


当時のファミコンの版権ゲー同様、『むしろ原作を知らない人の方が楽しめる』ゲームだと思います。それが面白いのか否かは話は別ですが。(正直面白くない)






ゲームのパッケージは劇場版同様の絵柄でしたが、ゲーム本編には主人公の早坂哲子は全く出てこず!完全なサギ!!喝!だ。/(C) 2024 Kadokawa Haruki Corporation. All Rights Reserved. (C)KADOKAWA CORPORATION 2024






歴史上の人物と楽しい?"YES/NO"会話!しかし、選択肢を誤ると大抵殺されてしまい速攻でゲームオーバーに!/(C) 2024 Kadokawa Haruki Corporation. All Rights Reserved. (C)KADOKAWA CORPORATION 2024






タイムマシンから発せられる"コイ"に乗り損ねると、歴史に取り残されてしまいこれまたゲームオーバーに・・・。/(C) 2024 Kadokawa Haruki Corporation. All Rights Reserved. (C)KADOKAWA CORPORATION 2024