『ハイ書きなさい!』~鈴木健二さん、旅立つ・・・ | VBCテレビブログ放送

『ハイ書きなさい!』~鈴木健二さん、旅立つ・・・

NHKの元アナウンサーで、「歴史への招待」('78~'84年)や「クイズ面白ゼミナール」('81~'88年)等、数々の番組の司会で知られた鈴木健二さんが去る'24年3月29日に老衰の為、95歳で旅立たれました・・・。

鈴木健二さんは、モトをたどれば'29年に東京で生まれ、東北大学の文学部を卒業した後、'52年にアナウンサーとしてNHKに入局。

「歴史への招待」では“鈴木講談”とも言われ、よどみない解説が人気を集めたほか、「クイズ面白ゼミナール」では、幅広い知識を生かしながら、柔らかい笑顔とユーモアたっぷりの語り口で番組を進行し、国民的なアナウンサーとしてお茶の間に親しまれました。解答者に対して『ハイ!書きなさい!』等と強要する様な言い方は、今だと賛否両論か?但し、クイズ番組としては歴代最高の視聴率42.2%('82年9月12日放送回)をマークした程の人気番組ともなりました。

また、大晦日恒例の「NHK紅白歌合戦」では、白組の司会を3回務め、このうち'84年の紅白では、歌手を引退するとして大トリを務めた都はるみさんに、鈴木さんが『私に1分間時間を下さい』と語りかけ、アンコールを求めた場面が語り草!

ただ、仕事に厳しいタイプだったせいかNHK時代は制作現場への露骨な介入もあり思った程、多くの番組にレギュラー出演した方ではなく、NHKを退職後は民放局の番組にもレギュラー出演しましたが、「鈴木健二の人間テレビ」(日本テレビ系/'89年)は民放初進出番組も日曜午後7時からという大激戦区で視聴率が伸び悩んだ上、3週連続で巨人戦の中継で番組が休止になった事等に激怒し、最終回の収録をボイコット。番組スタッフに『低視聴率は当初より予想されたもの。それが半年で打ち切り。局、代理店との信頼関係が崩れた今、番組を続けることは不可能だ』との"怒りのメッセージ"を配布した程で、その後はメディアへの露出度が激減しました・・・。

アナウンサーとしての経験を生かして、細やかな心遣いの大切さを記した著作「気くばりのすすめ」(講談社・刊)はベストセラーになり、熊本県立劇場や青森県立図書館の館長も務めました。

近年はNHK時代の初任地でもある熊本市で過ごしていましたが、3月29日に福岡市の病院で老衰の為に旅立たれたという。


同業者への"気くばり"はイマ一つだったのかもしれませんが今時のアナウンサーには居ない、味わい深い名アナウンサーでした。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。






「クイズ面白ゼミナール」では『知るは楽しみなり』と番組冒頭で力説されておりましたが・・・。太めの体系と黒ぶちのメガネが印象的なお方でした。/Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation). All rights reserved.