ナショナルキッド | VBCテレビブログ放送

ナショナルキッド

今回はかなりズ古いドラマ番組を特集!この番組のリアルタイム世代は、60歳台以上でしょうねぇ・・・。

NET(現・テレビ朝日)系にて'60年8月4日から'61年4月27日まで毎週木曜午後6時15分から6時45分迄、全39話(全4部構成)がモノクロ放送された東映制作の特撮ヒーロードラマで、東映が手掛けた初のSF特撮作品でした。

「ナショナル」こと松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)が、『子供達に科学に対する興味を持たせたい』との方針で破格の予算を投じて単独スポンサーを務めた番組で、オープニング映像ではナショナルの電飾広告塔をバックに空を飛ぶ主人公(ナショナルキッド)の姿が使われた他、番組提供の"松下電器"の文字とナショナルの広告塔が重ねられ、劇中ではナショナルキッドが使用するエロルヤ光線銃がナショナルの懐中電灯と同じ形にしてあり、『ちいさなおともだち』向けの番組とはいえかなり露骨なタイアップ番組となっておりました。

タイトルロゴ文字も当時の松下電器産業のロゴと字と同じ書体でしだが、通常松下電器産業の単独スポンサー番組のオープニングで使われていたコマソン♪明るいナショナル は使われませんでした

当初番組名は、松下電器産業から'54年に発売された"ハイパー乾電池"に因んで、「ハイパーキッド」なる番組名で企画されていたという。

本放送当時、番組スポンサーの松下電器産業が番宣用に主題歌を収録したソノシート"世紀の英雄 ナショナルキッド"を景品配布したほか、電気店でナショナルの電球を買うとナショナルキッドのメダルがおまけに付いたほか、本来のナショナルのマスコット"ナショナル坊や"がキッドに扮したノベルティグッズも用意されたという。

番組内容は、三万光年彼方のアンドロメダからやってきたスーパーヒーロー・ナショナルキッドの活躍を描いた特撮ドラマで、少年探偵グループに手渡した"マジックラジオ"(ナショナル製)の通信を聞くと何処からともなく空を飛びながらやってきて悪を相手に活躍!

武器は2種類の光線銃を使用していたほか、格闘能力も高かったという。

しかし"ラジューX"なる放射線が弱点で、これを浴びせられて電撃を受けると超能力を失って無力化してしまい、"磁気メタル"製の手枷足枷からは脱することが出来なくなりました。

実はナショナルキッドは、宇宙研究所の所長を務めている青年科学者・旗竜作(演・ 小嶋一郎/第1部~第2部→巽秀太郎/第3部~第4部)で、最終回では自分の正体を明かし子供達が見送る中、宇宙に帰還するというオチがありました。

かなり古い番組なので番組出演者の多くは既に芸能界から姿を消したか鬼籍に入られた方が殆どですが、目立ったところでは'92年に48歳の若さで旅立たれた太地喜和子さんが"志村妙子"名義で出演(旗竜作の助手・小畑尚子役)されたほか、「Gメン'75」(TBS系/'75~'82年)では5回に1回の割合でゲスト出演されていた、'70s刑事ドラマの脇役俳優の雄だった河合絃司さんが高倉警部役で出演されておりました。


今やるとネットで炎上必至な、露骨過ぎる松下電器タイアップ番組もスポンサーの松下電器側は視聴者である子供達への科学の啓蒙に期待しており、ドラマの内容そのものには不満だったとか・・・。この頃から、ソフトビジネスには弱かったのでしょうか?後々、映画・テレビゲーム(3DO→M2)事業で大コケしますからねぇ。






今やると炎上必至な、露骨にスポンサー名が番組タイトルになった特撮番組。"ナショナル"のロゴ字は当時のナショナルのロゴ字と同じ!/(C)東映