視聴率をよむ~'23大晦日夜は・・・ | VBCテレビブログ放送

視聴率をよむ~'23大晦日夜は・・・

全ての番組ではありませんが、'23年大晦日夜のテレビ番組の視聴率が判明しつつあります。

天下の「第74回紅白歌合戦」(NHK総合)は、"毒のある笑い"を身上としている有吉弘行さんと女優の橋本環奈さんと浜辺美波さんらの総合司会でしたが、午後7時20分から8時55分迄の第1部が29.0%、午後9時から11時45分迄の第2部が31.9%と、何れも2部制となった'89年以降で過去最低だったという。

'22年は第1部で31.2%、第2部が35.3%で30%を切ったのは視聴率の計測が始まった'62年以来初めてで、個人視聴率は第1部が22.0%、第2部が23.5%。こちらも'22年の23.0%、26.0%よりダウンしました。

まず、毒舌をウリにした有吉弘行さんが『借りてきたネコ』みたいに当たり障りの無い安全運転の司会進行ぶりでは、有吉弘行さんのキャラクターが活かされなかったのではないでしょうか?流石に「紅白歌合戦」の司会で『死ねよもう~!』等といった「マツコ&有吉かりそめ天国」(テレビ朝日系)や「クイズ☆正解は1年後」(TBS系)の様な、毒味のある語りという訳にはいかないんでしょうねイコール『別に有吉弘行さんを司会に起用した意味が無い』と。

旧ジャニーズ系の歌手が総じて出演しなかったのも大きかったのでしょうが、「紅白歌合戦」本来の『老若男女家族揃って楽しめる』1年の締めくくり的な音楽番組という範疇から逸脱し単なる流行歌ばかり取り揃えた『よくある歌番組』に成り下がりつつあると共に、番組内ではシラジラしく(NHKの見逃し配信サービス)『NHKプラス』の喧伝が展開されたそうで、こうなると本来のNHKでは禁じられているであろう『番組内での生コマーシャル』もいいところです。当然、視聴者からはソッポを向かれますよね。

民放トップだったのは「ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会」(テレビ朝日系)で、午後5時から6時迄の番組前半の第1部は世帯視聴率9.6%、個人視聴率5.6%、午後6時から7時30分迄の第2部は7.7%。番組後半(午後7時30分~11時)の第3部は、個人視聴率4.7%でした。

'22年に引き続き『消去法』で、チャンネルを合わせた視聴者が多かったか?こちらでもTBSばりのWBCネタがあり、歌番組、野球、お笑い番組に関心の低い視聴者層の関心を集めたのでしょうね・・・但し、大晦日らしい情緒はあまり感じられませんが。

その"WBC"ネタを持ってきたTBSが意外と善戦!午後5時から11時45分迄という長丁場で放送された「WBC2023 ザ・ファイナル」の平均世帯視聴率は、午後5時から6時迄の第1部が6.7%、午後6時から7時迄の第2部が7.7%、午後7時から11時45分迄の第3部が8.9%、個人視聴率は第1部が3.8%、第2部が4.7%、第3部が5.2%でした。

当局の不安をヨソに、思った以上に善戦しましたね。近年のTBSの大晦日の夜は、ボクシング中継や「THE鬼タイジ」といった"体を張る"番組が散見されましたが、この調子だと'24年末も『TBSらしい』硬派スポーツドキュメンタリー番組を持ってくることでしょう。

かつて『大晦日の民放の雄』だった日本テレビは「笑って年越し!THE笑(ワラ)晦日」を午後4時15分から深夜2時迄10時間近くに渡って放送も、平均世帯視聴率が第1部が6.1%。平均個人視聴率は3.9%。第2部は平均世帯視聴率が6.2%、個人視聴率は4.2%。第3部は平均世帯視聴率6.4%、個人視聴率は4.1%でした。

お笑いだけをテーマに掲げる一方、かつて人気を博した生活情報バラエティー番組だった「伊東家の食卓」('97~'07年)の復刻企画を放送も、やはり尺が長過ぎて間延びし過ぎたか?

当局、過去の『懐かしバラエティー番組』の振り返り企画だけは視聴しましたが、権利処理や現代の放送倫理規定等から思った程、取り上げられずに不満の残る内容でした。番組内で取り上げられた「カリキュラマシーン」('74~'78年)は他の番組でもつい最近紹介されていたし、「全日本仮装大賞」('79年~)共々お笑い番組では無いと思いますが・・・。日本テレビのお笑い番組なら、「シャボン玉ホリデー」('61~'72年)、「コント55号の裏番組をブッ飛ばせ!!」('69~'70年)、「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」('69~'71年)、「コント55号のなんでそうなるの?」('73~'76年)、「カックラキン大放送!!」('75~'86年)ぐらいは、こちらから言われなくても紹介するべきでした。

『大晦日らしい厳かな気分になれるポスト「紅白歌合戦」』的存在の「年忘れにっぽんの歌」(テレビ東京系)の視聴率(第2部)は5.2%と、微妙・・・か?テレビ東京にしては善戦した部類に入るのでしょうが、『かつての「紅白歌合戦」のメインだった演歌・歌謡曲好きの高齢者層が多い』地方程、肝心要のテレビ東京系列局が無く番組そのものが視聴出来ないというケースがとても多いだけに、やはり権利処理をクリアーして"全国区"のBSテレ東でも同時ネットさせるべきです。

事実上、民放ワーストだったのがフジテレビ系の「逃走中」で、世帯視聴率3.4%、個人視聴率2.7%。'22年の大晦日も「逃走中」を放送しており、その時よりも視聴率は微減。今回、大惨敗もいいところでしたがTVerでの見逃し配信は概ね好調だという。『どうせTVerで後から観られる』と思われたのが逆にアダとなってしまいました。

番組そのものが若年層ウケしているが故、ネット世代に観やすい様に配慮したことで逆にリアルタイム視聴の際に視聴率を得にくくなった感を抱きますね。


テレビ朝日は'23年の年間視聴率で開局以来初の世帯3冠を獲得する等、広範囲の視聴者層の獲得に成功しつつあるようです。大晦日もしかりか?







「ザワつく!大晦日」が新たな大晦日定番の番組になりつつある?/Copyright(C) tv asahi All rights reserved.