秋田県の民放3局目開局時は"妨害工作"が無かった? | VBCテレビブログ放送

秋田県の民放3局目開局時は"妨害工作"が無かった?

秋田県内には日本テレビ系列局のABS秋田放送、フジテレビ系列局のAKT秋田テレビ、テレビ朝日系列局のAAB秋田朝日放送の3局の民放系列局が存在しておりますが、東北では民放3局目の開局が最も遅れた地域でした。

その背景としては、『民放3~4局目の開局ラッシュ』だった'90年代前半、佐々木喜久治・秋田県知事(故人)が『秋田県の民放3局目は時期尚早』と県議会で述べたのを代表例として、官民共に秋田県内で新規民放局開局に向けての誘致熱が上がらなかったのが一因でした。しかし当時の郵政省(現・総務省)からは既に民放3局目開局に向けての周波数割り当てが済んでおり、あとは何時、どの系列局として開局するか?が焦点でした。

秋田県以外でも周波数割り当てが行われた地域は多々ありましたが、多くの地域では既存の民放局から猛烈な反対運動を起こされ泣く泣く開局を断念したケースが多くありましたよね。

ところが、秋田県では民放先発2局(ABS・AKT)からの"猛烈な反発"は聞かれませんでした。

'80年代半ば、秋田県内では初となる都市型ケーブルテレビ局となる筈だった秋田ケーブルテレビ開局の際には先発2局が『秋田県内のメディア界のドン』こと秋田魁新報に泣きつき、魁共々各界に圧力を掛け猛烈な開局反対運動を繰り広げ、当初の開局予定から10年以上も遅れて開局したという経緯があっただけに意外と『静か』な民放3局目の船出でした。

『民放3局目開局は世の流れ』ということだったのでしょうが、最終的に当時『視聴率争いでは民放4位』という"格下"のテレビ朝日系列局の開局ということで逆に先発2局はホッと胸をなでおろしたのかもしれません。

理由としては、

・TBS系列のスポンサードネットの人気番組のネット継続が期待出来る

・高い中継費用が掛かっていた夏の高校野球県大会の中継をやらなくて済む

・テレビ朝日系列局なら視聴率争いでさほどダメージを受けなくて済む

テレビ朝日サイドとしては、'87年春の改編で"テレビ朝日クロスネット"だったAKT秋田テレビが『フジテレビとの関係悪化』を理由に、秋田魁新報がフジテレビとAKT秋田テレビとの関係修復に動きAKT秋田テレビがテレビ朝日クロスネットから離脱。

秋田県の報道拠点を失い"面子を潰された"テレビ朝日サイドとしては当然怒り新党だったのでしょうが、この際、魁サイドから『AKTから手を引いた見返りに、テレビ朝日が秋田県に新規系列局を開局する際には手を出さない』という"裏取引"でもあったのではないか?と推察しております。

AKT秋田テレビがまだテレビ朝日クロスネットだった'85年には、TBS系列の毎日新聞系の広告代理店・秋田毎日広告社が設立され、朝日新聞の秋田県版に『TBS系列局の秋田ホームテレビ(仮)開局』を報じたという投稿が当ブログ放送に寄せられた事もあり、'80年半ば時点では『来るべき秋田県の民放3局目のTBS系列局開局に向けた』動きだったのかもしれません。

当然、この動きは当時TBSと蜜月関係にあったABS秋田放送を刺激したのは言うまでもないでしょう。


しかし秋田県におけるTBS系列局の開局は立ち消えに。朝日サイドの猛烈な巻き返しと、目立った"妨害工作"も無くテレビ朝日系列局のAAB秋田朝日放送が'92年10月1日に開局するはこびとなりました・・・。






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